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デアリングタクト陣営“異例の決断”は自信の表れ?「エピファネイア早熟説」からの抜け道も

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デアリングタクト 撮影:Ruriko.I

 2年前に無敗で牝馬三冠に輝いたデアリングタクト(牝5歳、栗東・杉山晴紀厩舎)が完全復活へ向けて秋初戦を迎える。

 陣営が始動戦に選んだのは牡馬混合戦のオールカマー(G2)。距離は前走の宝塚記念(G1)と同じ2200mだが、初めてとなる中山コースで2年ぶりの勝利を見据える。

 プラン通りなら、オールカマーの後は11月のエリザベス女王杯(G1)かジャパンC(G1)に向かい、前者を使った場合は12月の香港遠征も視野に入れているようだ。

 デアリングタクトは一口クラブ馬(ノルマンディーサラブレッドレーシング=以下、ノルマンディーTR)のため、通常なら5歳で引退しての繁殖入りが既定路線。ところが、岡田スタッドの岡田牧雄代表は各スポーツ紙などの取材に、デアリングタクトの来年以降の現役続行を宣言している。

“異例の決断”は自信の表れ?

「ノーザン系のクラブと違い、ノルマンディーTRには牝馬が6歳3月で引退するという規約はないようですね。実際に、同クラブ所属の6歳牝馬マリアズハートなどが今も現役で頑張っています。ただ、デアリングタクトは無敗で三冠を達成した名牝。大きな故障も経験しているので、無事に繁殖入りさせたいという声があるのも事実です。

今後のパフォーマンス次第のところはあると思いますが、正式に来年以降も走らせる決断を下せば、このクラスの牝馬としては異例となりますが、それは陣営の自信の表れといえるかもしれません」(競馬誌ライター)

 そんなデアリングタクトだが、始動戦で立ち向かわなければいけない大きな課題が一つある。

 それが父エピファネイアの早熟説だ。ポスト・ディープインパクトの筆頭とも呼ばれる父だが、産駒は古馬になってからスランプに陥るパターンが珍しくない。

 産駒の通算重賞勝利は「10」を数えるが、9勝は3歳時までに挙げたもの。古馬になって挙げた唯一の重賞勝利もアリストテレスが4歳1月に記録したAJCC(G2)のみである。

 もはや競馬ファンにとって共通の認識となりつつあるエピファネイア早熟説。デアリングタクト自身も三冠を達成した秋華賞を最後に勝っていないのも気になるところ。そして牡馬の代表産駒、エフフォーリアが4歳になってからまるで別馬のように低迷。さらに2頭ともに故障などで順調さを欠いた点も早熟説に追い打ちをかけている。

 父の汚名返上を懸けて2頭が臨んだ6月の宝塚記念。完全に期待を裏切る形に終わったエフフォーリアに対し、デアリングタクトは人気を上回る3着に好走。早熟説の払拭には至らなかったが、何とか面目を保った。

「エピファネイア早熟説」からの抜け道も

 早熟説を完全払拭するためにも、デアリングタクトのオールカマー勝利が望まれるが、牝馬のデアリングタクトならその可能性は高いという。

「データ的にエピファネイアの早熟説は立証されつつあります。初年度産駒にあたる5歳世代は年齢を重ねるとともに成績を下げていますからね。ただし、牡馬と牝馬の間には違いもあります。

牡馬は年齢とともに成績があからさまに悪化しています。一方で、牝馬は5歳になって勝率を少し上げているんですよ。特に芝では(5歳牝馬は)かなり盛り返しているので、早熟説は牝馬は例外となるかもしれません」(別のライター)

 来年も現役続行となれば、デアリングタクトが自身の“早熟説”も払拭できる大きなチャンスとなるだろう。無敗の三冠牝馬の名に懸けても、G2で負けるわけにはいかない。

中川大河

中川大河

競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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