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会心の天皇賞制覇もC.ルメールを待ち受ける苦難…「勝率19.5%」でも自己ワーストの危機

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イクイノックス

 30日、東京競馬場で行われた天皇賞・秋(G1)。勝ったのはこれがキャリア5戦目という若き有望株・イクイノックス(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)だった。

 今春の皐月賞(G1)と日本ダービー(G1)は惜しくも2着。どちらのレースも18頭立ての18番枠という厳しい初期条件の中、あと一歩届かなかったG1タイトルを伝統の天皇賞で掴み取った。

「これがG1初勝利ですが、最後ではありません」と語ったのは、デビューから5戦続けて手綱を取ったC.ルメール騎手。「ジャパンカップ(G1)や有馬記念(G1)に行っても大きなチャンスがある」と今後の活躍にも期待を寄せた。

 レースはパンサラッサが単騎で飛ばす展開となり、これにはルメール騎手も「直線に向いて彼を見たら15馬身くらいあって心配しました」と正直な感想を吐露。

 それでも、4角9番手から上がり最速32秒7の豪脚で追い上げ、ゴール手前で図ったように差し切り勝ち。大逃げにもペースを乱されることなく、相棒の末脚を信じた冷静な騎乗ぶりには各所から賞賛の声があがった。

 ルメール騎手といえば言わずと知れたJRA屈指の名手だが、G1タイトルは5月のオークス(G1)以来で今年2つ目。2016年と2017年は4勝、2018年には8勝を挙げ、2019年は5勝、2020年が8勝、そして昨年も5勝と毎年のようにG1勝利を量産してきただけに、今年の苦戦ぶりには早くから心配の声も聞こえていた。

 10月を終えた段階で、リーディング争いは88勝で第5位。トップの川田将雅騎手とは41勝の差をつけられており、5年連続で守り続けてきた騎手リーディングからの陥落も濃厚となっている。

 ただし、この点に関しては、6月末から8月の頭まで母国フランスで過ごしていたこともあって、今年はトップの座を明け渡す可能性が高いというのは明白だった。しかし、一方で気になるのが、「率」の面でも苦戦の跡が見られることだ。

 まずは、ルメール騎手がJRAの通年免許を取得した2015年以降の年間勝率を見てみよう。

▼C.ルメール騎手・年度別勝率

※通年免許取得(2015年)以降

2015年:19.5%(112勝/573回騎乗)
2016年:23.7%(186勝/786回騎乗)
2017年:24.6%(199勝/809回騎乗)
2018年:27.8%(215勝/772回騎乗)
2019年:25.2%(164勝/650回騎乗)
2020年:26.1%(204勝/781回騎乗)
2021年:24.8%(199勝/802回騎乗)
2022年:19.5%(88勝/452回騎乗)☆10月30日終了時点


 今年の勝率「19.5%」というのは、100回以上に騎乗した騎手の中で川田騎手に次ぐ2番目の成績ではあるものの、こうして並べて見るとルメール騎手のキャリアの中では低い水準であることがよく分かる。

 通年免許を取得して今年が8年目のシーズンとなるが、勝率20%切りとなれば初年度以来で2度目。当時とは立場も違い、回ってくる馬の質が向上していることも踏まえれば、この不振の深刻さが垣間見えてくる。

 つづいて、複勝率も見てみよう。

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