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キラーアビリティ「復活」の立役者に蘇る3年前の悪夢…京都記念(G2)で再び訪れた「降板」の危機

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B.ムルザバエフ騎手 撮影:Ruriko.I

 昨年はホープフルS(G1)をドゥラエレーデで勝利し、JRA・G1初制覇を決めたB.ムルザバエフ騎手。2019年から4年連続でドイツリーディングに輝いた名手は、経験が浅い日本でもその手腕を遺憾なく発揮した。

 今年に入っても、ムルザバエフ騎手の勢いは止まることを知らない。

 先週5日終了時点ですでに12勝を挙げており、リーディングでもトップ10に入る7位にランクイン。先月の東海S(G2)をプロミストウォリアで勝利すれば、先週のきさらぎ賞(G3)はオープンファイアで2着に入るなど、今年3度しかない重賞参戦でいずれも結果をだしているあたり、いまや信頼できる外国人ジョッキーの一人にも映る。

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キラーアビリティ

 これだけ頼りになる腕利きとあれば、オーナー達が重賞で依頼したくなるのは当然の流れ。今週末の京都記念(G2)では、G1馬キラーアビリティの初騎乗が決まったようだ。ムルザバエフ騎手にとっては、願ってもないチャンス到来に違いない。

 ただその一方で、キラーアビリティを前走で勝利に導いた団野大成騎手にとっては、この乗り替わりに複雑な思いがあるかもしれない。

 団野騎手といえば、「花の35期生」とも呼ばれる岩田望来騎手や菅原明良騎手などと同期。今年デビュー5年目でG1こそ未勝利だが、重賞3勝を挙げているように、腕っぷしには定評がある期待の若手だ。

 一昨年のホープフルSを最後に勝利から遠ざかっていたキラーアビリティを、前走の中日新聞杯(G3)で復活勝利に導いた立役者だが、今回は無念の乗り替わりとなってしまった。結果を残せなかったことによる「降板」ではないため、その直後での乗り替わりは少々非情にも映りかねないが、弱肉強食の騎手の世界だけに仕方ない部分もあるだろう。

「復活」の立役者に蘇る3年前の悪夢…

 思い返せば、3年前のセントライト記念(G2)を勝ったバビットを巡っても、似たような場面があった。

 春クラシックには間に合わなかったバビットだが、未勝利勝ち直後の早苗賞(3歳1勝クラス)で、初騎乗ながら勝利に導いたのが団野騎手だった。ただ、続くラジオNIKKEI賞(G3)は落馬負傷の影響もあって継続騎乗が叶わず、代役を務めた内田博幸騎手に勝利されてしまう。

 それでも、レース後には内田騎手が「これからまだまだ団野騎手も若いので、沢山良い馬も乗れると思うので、これをバネにしてもらって次なるタイトルを彼も頑張って取ってくれればいいかなと思います」とコメントしていただけに、次走のセントライト記念では再び団野騎手に手綱が戻ることも考えられた。

 しかし、陣営の決断は内田騎手の継続騎乗だった。

 結局、その後も横山典弘騎手に乗り替わるなど、再び団野騎手が鞍上を務める機会はまだ訪れていない。落馬負傷を悔やむと同時に、かつて年間リーディングにも輝いた内田騎手や横山典騎手との差を痛感した瞬間でもあったかもしれない。そんな過去もあるだけに、キラーアビリティの降板には、あの頃と同じような悔しい思いもあるだろう。

 とはいえ、今回はムルザバエフ騎手の短期免許が3月5日で切れるため、京都記念の結果にかかわらずキラーアビリティの次走は鞍上交代の可能性が高い。仮に再び団野騎手が騎乗することがあれば、今度こそ関係者に「団野一択」と思わせてほしいものだ。

GJ 編集部

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