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単勝122.7倍3着の裏にあった“慧眼” 平均人気「11.1」で複勝率40%を叩き出す驚異の穴男

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川田将雅騎手

 2023年の中央競馬もあっという間に2カ月目に突入。年間で288日行われる開催のうち、まだ全体の4%にあたる12日を終えた段階ではあるのだが、ここまでの各騎手の滑り出しを振り返ってみると、まず目につくのが川田将雅騎手の好調ぶりだ。

 昨年は年間143勝を挙げ、悲願の騎手リーディングを獲得。さらには最高勝率騎手、最多賞金獲得騎手にも輝き、史上4人目となる騎手大賞の栄誉も手にした。

 充実のシーズンを経て迎えた節目の20年目も立ち上がりからエンジン全開。現時点で22勝はリーディング首位を快走中。それでいて、騎乗数はリーディング十傑の中ではC.ルメール騎手に次いで少ない66回となっており、勝率は33.3%という驚異的な数字が残っている。

 勝負強さだけでなく、連対率の63.6%も、複勝率の74.2%も2位以下に大差をつける断トツの成績。騎乗馬の平均人気「1.8」でこれだけ安定したパフォーマンスを見せられてしまうと、穴党の方々にとってはまさにお手上げ状態。「川田騎手がいるレースは手を出すな」が基本方針となってくることだろう。

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水口優也騎手

 一方で、そんな穴党の救世主的存在として注目したい騎手がいる。今年がデビュー14年目、31歳の水口優也騎手だ。

平均人気「11.1」で複勝率40%を叩き出す

 昨年は年間6勝でリーディング90位。今年も現時点では2勝、リーディングも51位と特筆すべき要素はないようにも思えるが、改めて今年の成績を見てみると【2-2-4-12/20】。複勝率は40%を誇っている。

 この「複勝率40%」というのは一体どの程度の数字なのか、開催12日終了時点でのJRA騎手・複勝率トップ5(障害成績を除く)を見てみよう。

1位 74.2%(49/66) 川田将雅騎手
2位 48.0%(36/75) 福永祐一騎手
3位 47.6%(30/63) C.ルメール騎手
4位 40.0%(8/20) 水口優也騎手
5位 39.7%(23/58) T.バシュロ騎手

 水口騎手は日本を代表するトップジョッキーや海外からの刺客に混じって堂々の4位にランクイン。驚くべきは、この成績を騎乗馬の平均人気「11.1」で叩き出しているという点である。

 今年騎乗した20回のうち、単勝オッズが9.9倍以下だったのは2回だけ。残りはすべて10倍以上どころか、過半数超えの12回は単勝万馬券となる100倍以上の馬だった。

 複勝率上位の騎手と比較しても、上述した川田騎手の騎乗馬の平均人気は「1.8」で、福永祐一騎手も「3.5」。ルメール騎手が「2.9」に、T.バシュロ騎手も「4.6」だから、やはり水口騎手の異質さは際立っている。

 直近でも、2月4日の中京8R・4歳以上2勝クラスにおいて、14番人気・単勝122.7倍のサンデーミラージュで3着に激走。1番人気と2番人気のワンツー決着だった中、複勝は1740円で3連複も1万6470円に跳ね上がった。

単勝122.7倍3着の裏にあった“慧眼”

 さらに驚かされたのがレース後のコメントだ。『週刊競馬ブック』の取材によると、「前走乗った感じで1400mダートがいいと思って進言しました」とある。

 その前走とは、昨年11月の2勝クラスの一戦。水口騎手はその時が同馬への初騎乗だったのだが、出走した条件は阪神の芝2200mだった。そこで14着に敗れた後、その一戦の感触から「ダート1400m」の気配を感じ取ったという。

 そして陣営も進言通りにこの条件に挑戦。ダート戦の出走自体も4戦ぶりで、1400mの距離は芝・ダートに関係なく初挑戦だった中、終わってみれば3着に好走。馬券内突入は3歳時の2020年5月・兵庫チャンピオンシップ(G2)以来、実に2年9カ月ぶりのことだった。

 進言した水口騎手も、道中は16頭中16番手という位置取りにも動じることなく、最後は上がり最速37秒2の末脚を発揮しての食い込み。その手腕もさることながら、6歳にして新たな可能性を見いだしたその慧眼ぶりには脱帽せざるを得ない。

 さらに同騎手は翌日の中京1R・3歳未勝利でも、9番人気・単勝171.4倍のタイムトラベラーで3着に食い込み、ここでは複勝1670円を記録。2日連続で単勝万馬券ホースを馬券内に持ってくるという離れ業をやってのけている。

 この2レースに共通していたのは、「中京競馬場」で行われた「ダート戦」。たしかに詳細な成績を見ていくと、コース別成績では中京が【2-1-4-9/16】と今年の良績はほとんど中京コースで記録したもので、芝とダートでは芝が3回騎乗して全て着外。反対にダートに限れば【2-1-4-6/13】で、複勝率は53.8%まで跳ね上がる。

 残念ながら得意の中京開催は5日までで一旦幕を閉じることになるが、ここまでの充実ぶりを見ていると、舞台が替わっても波乱の立役者として引き続き期待したいところ。

 JRAの新たな穴男として、競馬ファンにその名前を印象付けることができるか。特にダートのレースの出馬表に「水口優也」の文字を見かけた際には、印の有無は度外視で要注目だ。

GJ 編集部

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