
【阪急杯(G3)展望】ピクシーナイト回避も「グレナディアガーズ1強」とはならず?立ちはだかるのは「3連勝中」安田隆行厩舎の秘密兵器
26日、阪神競馬場では芝1400mを舞台に阪急杯(G3)が行われる。1着馬に与えられる高松宮記念(G1)への優先出走権を手にするのは果たしてどの馬になるのか、早速展望していこう。
まず触れておきたいのは、2021年の香港スプリント(G1)でレース中に骨折し、長期離脱していたピクシーナイトの動向。陣営は阪急杯での復帰を目指していたが、17日の調教後に歩様の違和感が認められ、あえなく回避となった。21年スプリンターズS(G1)覇者の離脱で、もう1頭のG1馬による1強ムードが漂うが……。
メンバー唯一のG1馬として1強ムードを醸し出しているのがグレナディアガーズ(牡5歳、栗東・中内田充正厩舎)だ。
20年朝日杯FS(G1)覇者で、21年には今回と同コースの阪神C(G2)も制している重賞2勝馬。3戦して未勝利に終わった昨年の競馬を改めて振り返ると、トラックバイアスの影響をまともに受けた高松宮記念が12着、初の海外遠征となった6月のプラチナジュビリーS(G1)は、柔らかい馬場が向かず19着に大敗していた。
その後は体調がなかなか整わず、6か月の休養を挟み、阪神Cで復帰。連覇が期待されたが、1400m戦の鬼ダイアトニックにハナ差及ばず、1年ぶりの勝利はお預けとなった。
今年は選出されていたサウジアラビアの1351ターフスプリント(G3)から始動する可能性もあったが、招待を辞退して国内に専念。ここをステップに高松宮記念で昨年のリベンジに向かう算段だ。
前哨戦とはいえ、G1ウイナーとしてG3のここは取りこぼすわけにはいかないだろう。初コンビを組む岩田望来騎手を背に、1年2か月ぶりの美酒を味わいたい。
実績ではグレナディアガーズに敵わないが、勢いで勝るのは昨年8月札幌の1勝クラスを皮切りに3連勝中のアグリ(牡4歳、栗東・安田隆行厩舎)である。
昨年11月に2勝クラスを4馬身差で逃げ切り勝ち。続く六甲アイランドS(3勝クラス)では初コンビの松山弘平騎手を背に、2番手追走から抜け出して一気にオープン入りを果たした。
その前走は走破タイムも優秀だった。勝ち時計の1分20秒3は、その翌週に行われた阪神Cの勝ち時計より0秒1遅いだけ。つまり、時計面ではグレナディアガーズと遜色ないことをすでに証明している。
鞍上の「非常に強い競馬。上(のクラス)でも十分戦えると思います。楽しみな馬です」というコメントからも、G3ならいきなり勝ち負けしてもおかしくないだろう。
また、スピード色あふれる血統も魅力だ。父のカラヴァッジオはスキャットダディの直仔で、現役時代はアメリカの芝スプリント戦を中心に活躍。18年にアイルランドで種牡馬入りし、21年からアメリカに活躍の場を移していたが、今シーズンから日本軽種馬協会で供用されている。
初年度産駒からG1・2勝テネブリズムなどの重賞勝ち馬を複数輩出しており、アグリのスピードも父譲りといえるだろう。管理するのが名スプリンターを数多く育ててきた安田隆厩舎だけに、大駆けの可能性は十分ある。
上がり馬のアグリと対照的に低迷しているのがホウオウアマゾン(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎)だ。
21年アーリントンC(G3)を制覇後も重賞でたびたび3着内に好走していたが、昨年の安田記念(G1)で12着に敗れてから目下4戦連続2桁着順という大不振にあえいでいる。
昨秋はスワンS(G2)が10着、マイルCS(G1)でも15着に惨敗。今年初戦の根岸S(G3)は初ダートで変わり身を狙ったが12着に敗れた。
ダートは1戦で諦め、改めて芝で復活の足掛かりをつかみたいところ。その切り札として鞍上に指名されたのが、32歳の中堅・国分優作騎手だ。
主戦の坂井瑠星騎手がサウジアラビア遠征であいにく不在。代わって手綱を取る国分優騎手は昨年11月の福島記念(G3)でも同じ矢作厩舎で坂井騎手のお手馬ユニコーンライオンにテン乗りし、10番人気ながら代打起用に応える逃げ切り勝ちを収めている。福島記念と同様に矢作厩舎の期待馬を復活勝利へと導くことができるか。
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