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急逝のハーツクライに捧げる圧勝劇! 名伯楽「後継者」の好素材がデビューV発進

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鮫島克駿騎手 撮影:Ruriko.I

 11日、中京5Rに行われた芝2000mの3歳未勝利は、今回が初出走だった6番人気ブライトジュエリー(牝3歳、栗東・橋口慎介厩舎)が勝利。道中は後方で脚を溜めると、最後の直線は馬場の真ん中をメンバー最速の上がりで突き抜けた。

 フルゲート18頭のレース。ブライトジュエリーはスタートがいまひとつだったものの、鞍上の鮫島克駿騎手が「雰囲気からも終いを活かす競馬をしたいと思った」と振り返った通り、後方からじっくりとレースを展開。

 4コーナーもロスなく内を回って最後の直線に入ると、馬群の外に持ち出されて強烈な末脚を発揮。1番人気ガットネロを並ぶ間もなく交わし去ると、最後は後続に4馬身差をつける圧勝劇だった。

「勝負どころでだいぶ後方にいたので心配しましたが、最後の脚は凄まじかったですね。ブライトジュエリーがマークした上がり3ハロンは34秒6で、35秒台は1頭もおらず他はすべて36秒以上。なかなかお目にかかれない光景であったようにも思います。

なおエピファネイア産駒の本馬は、母が2008年のチューリップ賞(G3・当時)を勝ったエアパスカルで、近親にはブラックタキシードなどがいる血統。好素材であることは間違いなさそうですが、最後の直線で内にササる面を見せるなど気性面でやや難しそうな一族でもあるだけに、今後どのように成長するか注目したいところです」(競馬誌ライター)

 また、この勝利は管理する橋口慎介師にとっても特別な1勝となったか。

 2016年に父であり、JRA通算991勝の名伯楽・橋口弘次郎元調教師の後を継ぐ形で厩舎をスタートさせた同師。その弘次郎氏が現役時代に手掛けたG1・2勝のハーツクライが今週9日、起立不能となり22歳で急逝した。

 ダンスインザダークやローズキングダムなど数々の名馬を管理した父・弘次郎氏だが、息子である慎介師のなかで特に思い出として残っているのが、ハーツクライが2006年に出走した英国のキングジョージ6世&QES(G1)のようだ。

 当時の慎介師はすでにトレセンで働いていたが、有休を取って現地まで応援しに行ったとのこと。レースでは3着に敗れてしまったものの、凱旋門賞馬ハリケーンランと、ドバイワールドカップ(G1)の勝ち馬エレクトロキューショニストを相手に直線で一度先頭に立ったときには一瞬勝ったかと思ったほど、同馬の走りに感激したという。

 父はそのハーツクライ産駒のワンアンドオンリーで、14年に日本ダービー(G1)を初優勝。16年に定年を迎えて厩舎が解散すると、同馬は慎介師が引き継ぎ、現役時代にハーツクライが制したドバイシーマクラシック(G1)にも挑戦している。今回のブライトジュエリーの勝利は、慎介師にとってハーツクライに捧げる白星にもなったかもしれない。

「今日のブライトジュエリーの末脚は、どことなくハーツクライの豪脚を彷彿とさせるようなものもありましたね。なお橋口厩舎はこの日、阪神6Rと阪神12RでもVを決めており、1日3勝を挙げる大活躍を見せています」(同)

 鮫島駿騎手はレース後、ブライトジュエリーについて「思った以上に弾けてくれた。最後も抜け出すと物見をするくらい余裕がありました」と能力を高く評価した。

 ちなみに鮫島駿騎手は、2020年から3年連続で橋口厩舎の勝ち頭にもなっている。この黄金コンビとブライトジュエリーの今後に期待したい。

冨樫某

冨樫某

キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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