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“最強の2勝馬”サウンズオブアース死去に思う「勝てないからこそ好きになる」多くのファンの心をつかんだ愛すべきシルバーコレクター達

最強の2勝馬サウンズオブアース死去に思う「勝てないからこそ好きになる」多くのファンの心をつかんだ愛すべきシルバーコレクター達の画像1
撮影:Ruriko.I

 2014年の菊花賞、15年有馬記念、16年ジャパンCと、G1で3度2着になったサウンズオブアースが死亡したことが、14日に報じられた。

 サウンズオブアースは、勝ち鞍が3歳未勝利とはなみずき賞(3歳500万下・当時)のみの2勝ながら、重賞およびG1で何度も2着に入るシルバーコレクターぶりが有名で、“最強の2勝馬”と称された。

 繋養先のモモセライディングファームの百瀬利宏氏(47)が「ファンの多い馬でした」と語るように、懸命に走りながらもあと一歩勝利に届かない姿に多くの競馬ファンが魅了された。

 日本競馬界には、これまでもそんな愛すべきシルバーコレクターが何頭も誕生している。

 記憶に新しいのがカレンブーケドールだ。19年のスイートピーS(3歳L)で2勝目をあげると次戦オークス(G1)で2着となった。その後も同年の秋華賞(G1)で2着、ジャパンCで2着、21年は天皇賞・春(G1)で3着など、大舞台で惜しいレースを繰り返した。こちらもまた“最強の2勝馬”と称するのにふさわしい成績を残した。

 次いで、“最強の1勝馬”と呼ばれたのがエタリオウである。17年にデビューし、2戦目で2歳未勝利を勝利。翌年500万下(当時)の条件戦で3連続2着となったのち、青葉賞(G2)に参戦した。ここでも2着に入り、日本ダービー(G1)の優先出走権を獲得。そして本番のダービーでは4着に健闘した。

 その後も神戸新聞杯(G2)、菊花賞、19年日経賞(G2)で2着になるなど惜しいレースを演じた。以降は成績を落として引退したが、獲得した本賞金1億9570万円は1勝馬の中で歴代一位の記録となっている。

“最強の未勝利馬”

 さらに時代をさかのぼると“最強の未勝利馬”と称された馬がいる。それがロイスアンドロイスである。92年にデビューすると、新馬戦および未勝利戦で2着5回3着1回と善戦を繰り返し、未勝利馬の身でありながら青葉賞(当時3歳OP)に出走した。

 当時のルールでは青葉賞で優先出走権を得ても、未勝利馬は日本ダービーに出られなかったため、絶対に1着が必要なレースだったが、結果は3着に敗れ日本ダービー出走は叶わなかった。

 次戦でようやく未勝利を突破し、翌年94年には条件戦で2勝をあげオープン入りを果たす。その後は重賞戦線に挑み、同年にオールカマー(当時G3)、天皇賞・秋(G1)、ジャパンCと3戦連続で3着に入るなど、そのシルバーコレクターぶりを発揮した。

 ディープインパクト、アーモンドアイなど稀代の名馬は、その圧倒的な強さで人々を魅了するが、「勝てないからこそ好きになる」シルバーコレクターの存在も競馬ファンにとっては必要不可欠なのだろう。

 馬券という枠を超え、つい応援したくなる“推し馬”を追いかけるのも競馬の楽しみ方の一つといえるかもしれない。

GJ 編集部

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