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【ダービー卿CT(G3)展望】「未完の大器」ジャスティンカフェ×C.ルメールVS「3戦3勝」ロードカナロア産駒の大物×川田将雅!

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 4月1日、中山競馬場では古馬のハンデ重賞、ダービー卿CT(G3)が芝1600mを舞台に行われる。6月の安田記念(G1)を見据えたマイル戦の実績馬が多数スタンバイしている一戦を早速展望していこう。


 ジャスティンカフェ(牡5歳、栗東・安田翔伍厩舎)は、重賞未勝利ながら昨年の毎日王冠(G2)ではサリオスの2着に好走。続くマイルCS(G1)は抜群の手応えで直線インを突くも、前が壁となる不利に見舞われ6着に敗れた。スペースがあれば馬券圏内もあったかと思わせる脚色だっただけに、悔やんでも悔やみきれない敗戦となった。

 その後は一息入れて、東京新聞杯(G3)で始動。強烈な末脚を評価されて1番人気に支持されたが、またも直線でスムーズさを欠き4着に敗れた。それでも逃げたウインカーネリアンが粘り込む前残りの展開の中、メンバー最速の上がり33秒3をマークしており、改めて能力の高さを証明している。

 毎日王冠からの近3走で手綱を取っていたのは、先月いっぱいで騎手を引退した福永祐一調教師。不完全燃焼に終わった前走後には「バランスが良くなっています」「良いかたちで成長していますし、これから活躍してくれると思います」と、まだまだ成長の余地があると語っていた。

 そんなジャスティンカフェと新コンビを組むのは、3月に入ってからJRAの重賞を3勝し、25日のドバイシーマクラシック(G1)をイクイノックスで制すなど上昇カーブを描くC.ルメール騎手だ。

 ジャスティンカフェにとって初の中山、しかもスタート後にすぐにコーナーに差し掛かるトリッキーなコースで、乗りに乗る鞍上がどんな手綱さばきを見せてくれるか。ハイペースで馬群がバラける展開になれば、直線一気の豪脚が炸裂する。


 レッドモンレーヴ(牡4歳、美浦・蛯名正義厩舎)は、父ロードカナロア、母ラストグルーヴ、祖母エアグルーヴの良血馬だ。

 昨年2月末で解散した藤沢和雄厩舎から21年秋にデビュー。2戦目で未勝利戦を脱すると、いきなり共同通信杯(G3)に挑戦しており、陣営も期待する1頭だった。ただし、この時は馬体も未完成で、ダノンベルーガから0秒8差の6着と力負けを喫している。

 その後は自己条件で出直し。マイル路線に転じて藤沢厩舎最後の勝利をプレゼントすると、間隔を空けながら一気に自己条件を突破し、今年初戦の節分S(3勝クラス)を勝って念願のオープン入りを果たした。

 特に充実ぶりを示したのは前走だろう。スタート直後に他馬と接触する不利があったが、これをものともせず。好位4番手追走から、直線力強く抜け出して、着差(1馬身半)以上に余裕のある内容だった。

「とても期待している馬ですし、無事にここをクリアしてくれて良かったです。無事に次を迎えられればと思います」とコメントしたのはコンビ通算3戦3勝の川田将雅騎手。陣営は引き続き同騎手を確保しており、昇級初戦でも好勝負は必至か。


 有力視されるジャスティンカフェとレッドモンレーヴはいずれも重賞未勝利。2頭に対抗するのは過去にマイル重賞を勝っている面々だ。

 マテンロウオリオン(牡4歳、栗東・昆貢厩舎)は、昨年1月のシンザン記念(G3)を制し、春にはNHKマイルC(G1)でクビ差の2着に好走するなど、世代のマイル路線を牽引してきた。

 その後は日本ダービー(G1)に挑戦するも、17着に大敗。するとリズムを崩したか、秋はスワンS(G2)で7着、続くマイルCSは10着と不本意な結果で1年を終えた。

 年明け初戦は中京で開催された京都金杯(G3)。シンザン記念と同じ舞台だったこともあり1番人気に推されたものの、スタートで出遅れると終始後方をポツン。直線で3頭を交わしただけの13着に敗れ、評価は急落した。

 実際に前走・東京新聞杯には8番人気で出走。しかし、好スタートを決めると、中団追走から直線末脚を伸ばして0秒4差の6着と善戦。ダービー以降では最も好内容の競馬で復調の気配を見せている。


 昨年の当レースを11番人気で制したタイムトゥヘヴン(牡5歳、美浦・戸田博文厩舎)は、1992、93年のトモエリージェント以来の連覇を狙う。

 近走は苦戦続きだが、前走・オーシャンS(G3)で初めて1200m戦を使われたのが起爆剤となるか。マイル戦に戻れば追走はある程度楽になるはずで、距離変動効果に期待がかかる。

 ミスニューヨーク(牝6歳、栗東・杉山晴紀厩舎)は、現役屈指の中山巧者で同コース開催の牝馬限定重賞ターコイズS(G3)を連覇している。牡馬相手にも昨年の京成杯AH(G3)で僅差の4着に入っており、上位争いに加わってくるだろう。

 他には、その京成杯AHで混戦を断ったファルコニア(牡6歳、栗東・高野友和厩舎)や、ともに中山で好走実績があるインダストリア(牡4歳、美浦・宮田敬介厩舎)とアナザーリリック(牝5歳、美浦・林徹厩舎)のリオンディーズ産駒2頭にもチャンスがありそうだ。

 ここを勝ってヴィクトリアマイル(G1)もしくは安田記念に向かうのは果たしてどの馬か。発走は4月1日の15時45分を予定している。

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