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トウカイテイオー、メジロマックイーンが大阪杯圧勝も…歴史的名馬の2頭が天皇賞・春で見た悪夢

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 4月2日、阪神競馬場にて春のG1シリーズ第2戦、大阪杯(G1)が開催される。

 ご存じの通り、2017年にそれまでのG2からG1に昇格し、今年で7年目を迎えるこのレースだが、今年は昨年の二冠牝馬スターズオンアースをはじめ、連覇を狙うポタジェや最優秀4歳以上牝馬に選ばれたジェラルディーナなど、G1馬が5頭出走を予定。ドバイワールドカップデーと比べると層の薄さは気になるが、楽しみなレースであることに変わりはない。

 創設当初から施行条件がほとんど変わっておらず、1972年から阪神芝2000mで定着している大阪杯。開催時期的に天皇賞・春(G1)の前哨戦として位置づけられていて、実際にこのレースをステップにして天皇賞制覇を成し遂げた馬もいる。

 そういった事情もあってか歴代の勝ち馬には歴史的な名馬たちの名前がズラッと並ぶのだが、今回は92年の勝ち馬トウカイテイオーと翌93年の勝ち馬メジロマックイーンの因縁めいた勝利をご紹介したい。

歴史的名馬の2頭が天皇賞・春で見た悪夢

 当時のトウカイテイオーは前年、無敗で皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)の二冠を制し、父シンボリルドルフに続く無敗三冠はほぼ間違いなしと思われていたのだが、ダービー後に骨折が判明。長期休養を余儀なくされていた。

 一方、91年の古馬戦線を牽引していたのがメジロマックイーン。90年の菊花賞(G1)を制して頭角を現すと、古馬始動戦となった阪神大賞典(G2)を楽勝。続く天皇賞・春を制して祖父メジロアサマ、父メジロティターンとの3代による天皇賞制覇を成し遂げた。

 秋シーズンは大斜行で悪夢の18着降着となった天皇賞・秋(G1)をはじめ、不本意なシーズンになった。明けて92年は前年と同じく阪神大賞典から始動し、前年を超える大楽勝を演じていた。

 この92年春シーズンにほぼ1年ぶりに復帰できたのがトウカイテイオー。復帰戦に選んだのが大阪杯(当時は産経大阪杯・G2)だった。

 無敗の二冠馬の復帰初戦、また鞍上が安田隆行騎手(現調教師)から父であるシンボリルドルフの主戦だった岡部幸雄騎手に乗り替わったこともあって、対戦を避ける馬も多く、わずか8頭立ての少頭数。その中でも単勝1.3倍の圧倒的1番人気に推された。

 レースは2枠を引いたトウカイテイオーがハナに立つ勢いで好スタートを切り、先頭を行く中で外からイクノディクタスが被せるようにハナに立ち、トウカイテイオーはそのまま3番手で追走。1000m65.9秒と超スローペースで淡々と流れるが、トウカイテイオーは4コーナー手前で2番手にポジションを上げ、直線で外目につけると前で粘るイクノディクタスを軽く交わし、内で馬体を並べていたゴールデンアワーを持ったままで振り切り、着差こそ1馬身3/4差しかついていないが、終始追われることがない楽勝で連勝を7に伸ばした。

 前哨戦を大楽勝したメジロマックイーンとトウカイテイオー。「世紀の決戦」とも呼ばれた天皇賞・春で、トウカイテイオーの岡部騎手は「地の果てまで伸びていくようだ」とトウカイテイオーを評すると、メジロマックイーンの武豊騎手は「あっちが地の果てなら、こっちは天まで昇りますよ」とコメント。こんなちょっとした小競り合いもあって、決戦ムードは最高潮となった。

 レースはトウカイテイオーが単勝1.5倍の1番人気、メジロマックイーンは2.2倍の2番人気に甘んじたが、蓋を開けてみればメジロマックイーンが圧倒的な強さを見せ、史上初の天皇賞・春連覇を達成。トウカイテイオーは大きく離された5着が精一杯だった。

 この後、トウカイテイオーに剥離骨折が判明。再度の休養に入るが、メジロマックイーンもまた調教中に骨折が判明。長期休養を余儀なくされる。

 そして1年後。メジロマックイーンの復帰戦となったのが大阪杯である。トウカイテイオーの前年と異なり、この年はフルゲートで争われた。1年の長期休養明け、馬体重がプラス14kgとベストでなかったことが嫌われたか、1番人気にはなったがオッズはナイスネイチャと並ぶ2.4倍に留まった。

 レースは7枠からポンと出たメジロマックイーンがハナに立つ勢いでいたが、外からラッキーゲランが出てハナを奪い、それを前に見る2番手追走。4コーナー手前で内ラチ沿いを進んだラッキーゲランを外から交わして先頭に立つと、そのまま直線へ。馬場の外目を進むが後続が追いつかず、ほぼ持ったままで2着のナイスネイチャに5馬身差をつける圧勝となった。

 この圧勝劇を見て、ファンはマックイーンの天皇賞・春3連覇を確信したのか、ファンは単勝1.6倍の圧倒的1番人気に推す。だが、前年菊花賞でミホノブルボンの三冠を阻んだ“刺客”ライスシャワーがマックイーンを道中徹底的にマーク。4コーナーを過ぎて馬体を併せると、楽な手応えでマックイーンを交わしていき、今度は天皇賞・春3連覇を阻んだ。

 92年、大阪杯を勝ったトウカイテイオーはメジロマックイーンに天皇賞制覇を阻まれ、翌年大阪杯を勝ったメジロマックイーンはライスシャワーに天皇賞3連覇を阻まれるという因縁めいた結果を残した2頭。

 こんな皮肉な歴史もある大阪杯。今年はどんなドラマが生まれるだろうか。

GJ 編集部

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