【桜花賞（G1）予想】ライトクオンタムは疑問視、リバティアイランドは押さえまで、実績上位の穴馬を狙って高配当を期待

　今回は待望のクラシック開幕戦、牝馬三冠の第1戦、桜花賞（G1）を予想していく。

　まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。

チューリップ賞　18頭
阪神JF、フィリーズレビュー　各3頭
クイーンC　2頭
朝日杯FS、フェアリーS、シンザン記念、エルフィンS（L）　各1頭

　となっている。

　レベル低下がとやかく言われているチューリップ賞（G2）だが、桜花賞の重要ステップであることはこの数字が証明しており、近5年でも馬券に絡んだ馬が6頭いる。阪神ジュベナイルF（G1）組はもっといる印象があるが、実際は過去10年で3頭のみ。2歳女王が直行で戴冠した例はソダシだけである。1頭ずついる別路線組だが、朝日杯フューチュリティS（G1）はグランアレグリア、シンザン記念（G3）はアーモンドアイ、エルフィンS（L）はデアリングタクトと後世に残る名牝揃い。このレベルにいるかどうかが取捨の分かれ目になるだろう。

　続いて人気順の成績を見ていく。

1番人気　1-3-1-5
2番人気　4-3-0-3
3番人気　1-2-2-5
4～6番人気　1-0-3-26
7～9番人気　3-2-3-22
10番人気以下　0-0-1-87

　となっている。

　1番人気と3番人気は微妙なライン。2番人気の信頼度は高そうだが、それもそのはず、ソダシ、デアリングタクト、グランアレグリア、アーモンドアイと1番人気だったと勘違いしそうな名牝が実は2番人気で勝利しているところがポイント。過去10年で上位人気馬がすべて飛んだのは2015年の一度きりなので、基本的には上位人気馬が馬券に絡むと思って良さそう。加えて数字でもわかるように7番人気以下が突っ込んでくるケースが近年多い。

　これを踏まえて「◎」は9番コナコーストとする。

　前走はチューリップ賞。好スタートから中団より前目に控えて追走。直線に向いて外から伸びていき、前にいたペリファーニアを交わしたものの逃げるモズメイメイをハナ差捉えきれず2着に終わった。

　8月小倉の芝1800mを人気通り勝ち上がったあと、今年初戦のエルフィンSを2着した後の前走。実績としては新馬→リステッドで連を外していないだけに申し分ないはずなのだが、なぜか不人気のままチューリップ賞を迎え、ある意味実力通りに2着に入ったという印象。

　陣営も外枠からポジションを取りに行き、終いもいい脚を使えたと高評価。あそこまで行けば勝ちたかったというコメントも出ているが、同じ舞台で争われるレースだけに、中団からいい脚で差してハナ差2着は値千金の結果としていいだろう。

　近年は前残り傾向が強まっている感はあるが、差し馬は必ず来ている。そういう意味で好位から差す競馬ができるこの馬の出番は十分にあると考える。今回もそれほど人気にならない感じなので、馬券妙味も含めて本命としたい。

「○」は穴馬だが8番キタウイングを挙げる。

　こちらも前走はチューリップ賞。内枠から下げて後方から追走。緩いペースで進んだところで直線に向き、上がり2位の鋭い脚を使って伸びるも前残りした馬を捉えきれず7着に終わった。

　チューリップ賞の予想では自信満々で◎を打ったのだが、案外な結果に終わったのは確か。これまで【3-0-0-3】と極端な結果が残っているが、うち2勝は重賞であり、今回のメンバー中で唯一重賞2勝を挙げていることは注目したい。

　陣営は前走直線で他馬に寄られてしまった、としながらしぶとく脚を使っていたと一定の評価。気配は上向いているということと、ここは自分の競馬に徹するだけ、とそれなりに強いコメントをしている。

　これまで1番人気に一度もなったことがない馬ではあるが、上記のように実績は上位。だからこそ狙う価値もあるということで、前走内容で見限るのは早計と考えて対抗とする。

「▲」は人気しそうだが4番ドゥアイズを推す。

　前走はクイーンC（G3）。内目の枠から前を見る3番手につけて追走。澱みのないペースで流れ、直線で前の馬が崩れる中で押し切りを図るも、後ろから来たハーパーに差されてクビ差の2着に敗れた。

　こちらもこれまで1番人気になったことがない馬ではあるが、前走は2走前の阪神JFで3着に入ったことが評価されたか2番人気に推され、人気通りに好走した。「○」キタウイングと違い、こちらは新馬戦を勝ち上がり、オープン戦と札幌2歳S（G3）を2着したあと、上記の成績を残してきた。重賞勝ちはないものの、重賞2着2回、3着1回は優秀。人気するのも当然と言えば当然か。

　陣営はここ2戦の内容が直線で進路を探す場面があったとして、追えなかったとコメント。力は通用するはず、中間で心身ともに成長し、安定感があるので上位争いを期待していると話している。

　実績も優秀で、陣営からも期待値高め。昨年は馬券圏内に入らなかったが19年から3年連続で馬券圏内に入っている2枠と好材料も多い。2強ムードで思ったより馬券妙味もありそうということで、押さえてみたい。

「△」は人気の軸である3番リバティアイランドと穴っぽく14番ペリファーニアの2頭を挙げる。

　リバティアイランドの前走は阪神JFで、好スタートから下げて中団に控えて追走。最初の3ハロン33.7秒と緩みのないペースで流れ、直線に向いて前が総崩れになったところを外目から追われて加速していき、後続に2馬身半差をつける完勝だった。

　新馬戦の切れ味は言うまでもなく、アルテミスS（G3）では進路取りを失敗したと敗因は明白。そして実力通りに勝ったと言える前走を考えると、切りたいところではあるが切る理由が見当たらない。それを裏付けるように陣営からも自信満々の様子が伝わってきている。

　ただ、1番人気と阪神JF直行組の不振は気になる。強いのは確かだが2歳女王が近年は桜花賞に直結していないことを考えると本命視はできない。あくまで押さえまで。

　ペリファーニアの前走もチューリップ賞で、エフフォーリアの下という良血と新馬戦の内容が買われて2番人気。出遅れたものの中団より前に進出して直線に向くと、前残りの展開ながら後ろからコナコーストに交わされて3着に終わった。

　この馬は昨年のピンハイと同じく、新馬を勝ってそのままチューリップ賞に挑戦し優先出走権を確保して臨む。キャリア3戦目で桜花賞を制覇すれば20年のデアリングタクト以来。その前が43年前のハギノトップレディとなるので、ハードルは高い。ピンハイも5着に終わっているのがその証左だ。

　ただ、陣営からは体調は上向きであること、輸送続きでも穏やかな性格なので心配がないと好レースを期待する雰囲気が流れている。馬券圏内がどうか微妙なラインではあるが、だからこそ押さえまでとしておく。

　今回は「×」として2番ライトクオンタムを指名しておく。

　正直切るかどうか迷ったところである。シンザン記念優勝馬が桜花賞を制したケースは三冠牝馬2頭の例があるだけに見限れず、唯一の牝馬が牡馬を圧倒したその走りはここで通用しないわけがないとも思っている。

　先週、大阪杯（G1）を制した武豊騎手が選び、騎乗するのも心強いところはある。だが、過去10年で馬体重430kg以下の馬に勝ち星がないことが引っかかっている。2年連続で1枠が3着以内に来ているものの、過去10年で見ると1枠は相性が良くない懸念もある。

　馬体が大きく増えているようであればクリアだが、こればっかりは当日になってみないと何とも言えない。調教後馬体重は436kgと壁は越えたようだが果たしてどうなるか。加えてペリファーニアの項で触れた通り、キャリア2戦での制覇もハードルが高い。

　陣営からも課題が多いと歯切れの悪いコメントが出ているだけに、リップサービスより不安が勝っていると判断せざるを得ない。こう考えると押さえるべきかどうか迷いがある。ただ、実力はリバティアイランドに勝るとも劣らないと見えるので、押さえるだけ押さえておく。

　ということで、今回は2番、3番、4番、8番、9番、14番の6頭で3連複BOX20点勝負としたい。ライトクオンタムに関しては当日の様子を見て、場合によっては評価を落としてもいいと考えている。それほどに押さえるかどうか微妙なラインだ。リバティアイランドを押さえているが、一本被りの様相なので、それ以外は上位人気でもオッズが高く、組み合わせ次第では意外な高配当が見込めるだろう。