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リバティアイランド「断然ムード」に冷や水浴びせる1番人気全敗…難関突破はソダシただ1頭、2歳女王は桜花賞(G1)を勝てない?

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リバティアイランド「断然ムード」に冷や水浴びせる1番人気全敗…難関突破はソダシただ1頭、2歳女王は桜花賞(G1)を勝てない?の画像1
リバティアイランド 撮影:Ruriko.I

 今週からついに今年のクラシックが開幕だ。9日の阪神競馬場で行われる桜花賞(G1)には、近年稀に見る高さの出走ボーダーをクリアした精鋭が集結。中でも抜けた存在と目されているのが、川田将雅騎手とのコンビで出走予定のリバティアイランド(牝3、栗東・中内田充正厩舎)だ。

 昨秋のアルテミスS(G3)こそラヴェルの前に初黒星を喫したが、最後の直線で川田騎手がスムーズな進路取りに失敗したこともあり、追い出しが遅れたのが敗因。次走の阪神ジュベナイルF(G1)でリベンジに成功し、文句なしの2歳女王に輝いた。

 陣営は早くから桜花賞に直行するローテーションを表明。最終追い切りでも圧巻のパフォーマンスを披露したリバティアイランドに死角はないようにも思える。

 しかし、トライアルを使わずに直行したこともあり、本番では初顔合わせとなるライバルも複数。牡馬相手にシンザン記念(G3)を快勝したライトクオンタムをはじめ、手強い相手も揃った。

 そこでひとつ気になったのは、阪神JFを優勝した馬による桜花賞制覇が、過去10年でソダシ1頭しかいないことだ。これはリバティアイランド断然ムードに冷や水を浴びせるデータといえる。

2歳女王は桜花賞(G1)を勝てない?

 そのソダシも阪神JFから直行していたことは、リバティアイランド陣営にとって心強いのだが、この年はサトノレイナスとソダシが阪神JFと桜花賞のどちらでも1番人気を争ったように二強ムード。2歳時の勢力図がそのままスライドした当時と、リバティアイランドが抜けた存在と見られる今年を、同じと考えるには危うさを感じる。

 ちなみに以下は、桜花賞に出走した前年の阪神JF優勝馬の成績だ。

13年 ローブティサージュ(8番人気5着)
14年 レッドリヴェール(2番人気2着)
15年 ショウナンアデラ(不出走)
16年 メジャーエンブレム(1番人気4着)
17年 ソウルスターリング(1番人気3着)
18年 ラッキーライラック(1番人気2着)
19年 ダノンファンタジー(1番人気4着)
20年 レシステンシア(1番人気2着)
21年 ソダシ(2番人気1着)
22年 サークルオブライフ(2番人気4着)
23年 リバティアイランド 1番人気?

 こうして振り返ると、1番人気馬は全敗中。阪神JF組で唯一勝利を挙げたソダシにしても2番人気であり、1番人気が濃厚のリバティアイランドとは異なる。

 また、勝ち馬の顔触れにはアーモンドアイ(18年)、グランアレグリア(19年)、デアリングタクト(20年)、スターズオンアース(22年)のような歴史に名を残す名牝の名前が続いた。二冠牝馬となった昨年のスターズオンアースにしても桜花賞出走時は、7番人気の伏兵に過ぎなかったのだから、2歳女王といえども油断は禁物といえる。

 今年はただでさえ、トライアルレースの勝ち馬が異なる混戦だった。下馬評は低くても、桜花賞で素質を開花させる穴馬が潜んでいてもおかしくないはずだ。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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