
朝日杯FS組「その後」が悲惨……単勝1.7倍ドルチェモアまで撃沈。「おかしいなと感じる部分が」主戦・横山和生が首を傾げる惨敗の裏にあった予定変更

8日、中山競馬場で行われたニュージーランドT(G2)は、2番人気のエエヤン(牡3歳、美浦・伊藤大士厩舎)が勝利。デビュー2戦こそ足踏みが続いたが、マイルを使って3連勝。春のマイル王決定戦NHKマイルC(G1)へ、大きく存在をアピールした。
「4コーナーでは抜群の手応えでした。リズム良く馬なりで上がっていって、最後までいい脚でしたね」
レース後、そう語ったM.デムーロ騎手も手応えを感じている様子。大舞台で抜群の勝負強さを見せる“G1請負人”も昨年は未勝利に終わり、G1勝ち記録は10年連続でストップ。今年は巻き返しに燃えているはずだ。
一方、順風満帆といった感じの2番人気と対照的に、早くも暗雲が立ち込めているのが、1番人気で7着に敗れたドルチェモア(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)だ。
16頭立てのレースながら、単勝1.7倍という圧倒的な人気に推されたドルチェモア。好スタートを決めて楽にハナに立った辺りでは、さすが朝日杯フューチュリティS(G1)を勝った2歳王者という貫録だったが、最後の直線でまさかの失速……。残り200mを切ったあたりで外から勝ち馬に交わされると、本来の粘りもなく、馬群に沈んだ。
「うーん、どうしてしまったんでしょうか。ハナに立ったのはデビュー戦以来でしたが、特に無理をしたというわけではなく、スピードの違いで押し出された感じだっただけに、本来ならそのまま押し切れるだけの実力があるはずなのですが……。
主戦の横山和生騎手が『休み明けなのか、ちょっと気持ちの面でおかしいなと感じる部分があった』と話しているなど、最後は馬の方がレースをやめてしまった感じもあり、あまり良いとは言えない負け方でした。もちろん、目標はあくまで次のNHKマイルCですが、ちょっと不安材料が残ってしまった印象です」(競馬記者)
朝日杯FS組「その後」が悲惨…
記者は「本来、こんな馬ではない」と話していたが、一方でドルチェモアが勝利した朝日杯FS組が、その後に不振を極めているところは気になる点だ。
昨年12月に行われ、17頭が出走した2歳マイル王決定戦だったが、その後この日までに勝ち星を上積みできたのは、8着馬ティニアのフローラルウォーク賞(1勝クラス)だけ。
今回のドルチェモアだけでなく、フロムダスクのクロッカスS(L)の1番人気3着、レイベリングの共同通信杯(G3)4番人気9着、バグラダスのファルコンS(G3)3番人気7着など、人気になって敗れてしまうケースも珍しくない。
「実は、ドルチェモアが最優秀2歳牡馬を受賞した今年1月のJRA賞授賞式では当初、NHKマイルCへの直行が発表されていました。その後、ニュージーランドTをステップにするプランが持ち上がったわけですが、もしかしたら一叩きしたかった事情があったのかもしれません。横山和騎手が『(気持ちの面で)おかしいなと感じる部分があった』というのは気になるところですね」(別の記者)

「今日は人気を背負っていただけに、申し訳ないです」
レース後、そう肩を落とした横山和騎手とドルチェモア。果たして、2歳王者はNHKマイルCで再び輝きを取り戻せるのか。5月の3歳マイル王決定戦が、主役不在の混戦模様を呈してきた。
PICK UP
Ranking
11:30更新「素行不良」で干された若手の更生に関西の大御所が名乗り! 福永祐一を担当した大物エージェントもバックアップ…関係者から「優遇され過ぎ」の声
【NHKマイルC(G1)予想】ジャンタルマンタルは皐月賞の反動があるとみて消し! 出走唯一の連勝馬に着目
横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- 「関東の問題児」がバチバチの叩き合いで痛恨の騎乗停止…被害馬の騎手からもクレーム? 降着の裁決に「迷惑をかけてしまい申し訳ない気持ち」
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- セイウンハーデスにも襲い掛かった「不治の病」…“奇跡の復活”カネヒキリ以来の伝説に挑む
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA「一寸先は闇」のような勢力図の激変…注目集めた若手同期の明と暗、あの「お騒がせ騎手」が佐々木大輔に続くブレイク?
- 横山典弘「27年ぶり」ドバイ決戦へ。「自分の命と引き換えに僕を守ってくれた」盟友ホクトベガの死で止まった時間…今度こそ無事完走を
- 武幸四郎騎手に横山典弘騎手が「絶叫」!? 武豊騎手が明かしたアノ復活劇でのエピソードに見る、弟のキャラクター