
「やれると信じていた」5年目若手が意地の下剋上! 15番人気ドゥーラ復活の3着激走で元主戦・戸崎圭太と分かれた明暗

大本命リバティアイランドが、同世代のライバルたちに異次元の強さを見せつけた21日のオークス(G1)。
今年は2着も2番人気のハーパーという順当な決着となったが、三連単が3万馬券になったのは15番人気のドゥーラ(牝3歳、栗東・高橋康之厩舎)が3着に激走したからに他ならない。
「この仔らしい脚を使ってくれて、いいレースを見せてくれました」(斎藤新騎手)
18頭立て芝2400mという、この時期の牝馬には過酷なレース。スタートを無難にこなしたドゥーラは迷わず後方へ。道中でしっかりスタミナを温存すると、最後の直線で自慢の末脚が爆発した。上がり3ハロン34.1秒は、最速こそリバティアイランドの34.0秒に譲ったが、世代トップクラスの切れ味を披露。皐月賞馬ジオグリフや、桜花賞馬ソダシらが勝ち馬に名を連ねる札幌2歳S(G3)の覇者が本来の走りを取り戻した。
「リバティアイランドが強すぎたため、優勝争いにこそ絡めませんでしたが、最後はこの馬らしい良い脚を見せてくれました。レース後に『前から長い距離は合うと思っていた』と話していた斎藤騎手ですが、ここ2走とは見違える走りだけに、よほど手が合うのでしょう。秋の秋華賞(G1)が楽しみになるレースでしたね」(競馬記者)
「馬がその気になれば、ここでもやれると信じていた」と話す斎藤騎手にも、今回は期するものがあったに違いない。
チューリップ賞(G2)15着、桜花賞(G1)14着と、ここ2走は関東のトップジョッキー戸崎圭太騎手とのコンビで大敗が続いていたドゥーラだが、元々は5年目の若手・斎藤騎手とのコンビでデビューした馬である。
2戦目に初勝利を挙げると、3戦目の札幌2歳S勝利で重賞初制覇。フレッシュなコンビは、そのままの勢いで阪神ジュベナイルF(G1)に挑戦。6番人気だったが、G1で二桁人気にしか乗ったことがなかった斎藤騎手にとっては、キャリアで最も大きなチャンスだった。
しかし、結果はスタートで出遅れてしまい6着。レース後に斎藤騎手が「出負けした分はあったと思いますが、初めての外回りコースでこれだけの末脚」と相棒を称賛したように、最後は勝ったリバティアイランドを超える上がり最速の末脚で追い上げた。
だが、それだけに出遅れが響くレースになってしまったことも事実……。そこで陣営は次走のチューリップ賞から、経験豊富な戸崎騎手へスイッチした経緯がある。
復活の3着激走で元主戦・戸崎圭太と分かれた明暗
「今年の斎藤騎手の年賀状がドゥーラとの写真だったそうです。今年はこの馬と飛躍するという思いが伝わってきていただけに、仕方がないとはいえ、チューリップ賞の乗り替わりは少々残念でした。
ただ、戸崎騎手が騎乗した2戦は不利があったり、スタートで遅れてレースの流れに乗れなかったりと不完全燃焼。結果は出ませんでしたが、戸崎騎手も『距離が延びた方がいい』と言っていましたね。今回はミッキーゴージャスとのコンビでしたが、ドゥーラ降板は後ろ髪を引かれる思いだったと思いますよ。斎藤騎手とのコンビ復活は、個人的にはよかったと思っています」(別の記者)
「リズムを大事に乗りましたが、最後は少し体力的なものが苦しくなってしまいました。これからさらに良くなってくると思います」とは、ミッキーゴージャスに騎乗して14着に敗れた戸崎騎手の言葉だ。
レース中には、11番がミッキーゴージャス、13番がドゥーラということもあって、奇しくも2頭が並んで走るという“熱い”シーンもあった。明暗が大きく分かれる結果となったが、もともと長い距離でこそとドゥーラを評価していた戸崎騎手としても「やはり」といったところなのかもしれない。
キャリア2戦でG1に挑んだミッキーゴージャスは、まだこれからの馬。母はオークスだけでなく秋華賞も勝ったミッキークイーンだけに、秋にドゥーラ&斎藤騎手との再戦に期待したい。
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