
賛否の「謹慎前ガッツポーズ」から2カ月…角田大河が“勝率55%”の相棒と挑む大舞台

先週の宝塚記念(G1)をもって上半期の競馬が終了。今週末からは本格的な夏競馬のスタートとなり、7月2日は中京競馬場でCBC賞(G3)が行われる。
夏の中京の開幕を告げる短距離ハンデ重賞だが、2020年は京都競馬場の改修工事に伴う日程の変更により阪神競馬場で行われ、さらに直近2年も同じ理由から小倉競馬場での開催となっていた。そんな事情もあって、今年は4年ぶりに中京開催のCBC賞となる。
注目馬の一頭が、初の重賞制覇を目論むエイシンスポッター(牡4歳、栗東・吉村圭司厩舎)だ。デビュー2年目の角田大河騎手が騎乗する。
デビューから4戦を終えた段階で馬券内どころか一度も掲示板に載ることもできなかった同馬に、角田河騎手が出会ったのは昨年5月のこと。今回と同舞台の芝1200m戦で、道中14番手から上がり3ハロン33秒9の豪脚を使っての差し切り勝ちを収めた。
先行してワンツー決着を決めようとしていた1番人気・2番人気の2頭をあっという間に飲み込み、単勝38.6倍の低評価を覆す快勝は見た目も数字もインパクト大。すると以降はすべてのレースで角田河騎手が手綱を取り、芝1200mの差し馬として一気に才能が開花する。
未勝利勝ちからわずか7カ月、暮れの阪神でファイナルS(3勝クラス)を勝って3歳のうちにオープンクラスへの昇級を決めると、今年の初戦にして重賞初挑戦となったオーシャンS(G3)でも3着と好走。前走の鞍馬S(OP)で初のオープン勝ちを決め、今回は満を持しての重賞初勝利を目指す。
初勝利から瞬く間にスターダムを駆け上がっていった中、減量の特典がなくなる特別戦にステージを移して以降も乗り替わることなく、デビュー2年目の騎手が“縁の馬”とともに重賞に挑むというのは昨今では珍しい。それが人気サイドとなることが予想される有力馬となればなおさらだ。
このコンビは『netkeiba.com』のコラム『今週のFace』でも取り上げられており、その中で角田河騎手は「ファイナルSを勝った後、馬主さんから『これからもぜひ乗ってほしい』と言っていただけてすごく嬉しかった」とコメント。重賞タイトルが視野に入る状況になっても鞍上はそのままということなら、人馬に対するオーナーの信頼の厚さがよく分かる。
“勝率55%”の相棒と挑む大舞台
これまで通算57勝を挙げている角田河騎手の騎乗馬別の成績を見ても、最も勝利を挙げているのがエイシンスポッターの「5勝」であり、その成績は【5-1-2-1/9】で勝率55.6%、連対率66.7%で複勝率は88.9%という驚異的な数字が残っている。
加えて、破壊力抜群の末脚をいかんなく発揮できる直線の長い中京・芝1200mコースでは【1-1-1-0/3】と一回も馬券内を外していないというのも心強い。重賞初勝利を狙うにはうってつけの舞台と言えるだろう。
まさに“相思相愛”のコンビだからこそ、期待を裏切るような騎乗はできない。前走は安定して33秒台前半の末脚を繰り出す同馬にとって、歓迎材料とは言えない不良馬場での一戦になったが、ここでもその脚力を信じ切った後方待機からインを捌いての差し切り勝ち。重賞ではないオープンクラスのレースだったが、会心の勝利に思わずガッツポーズも飛び出した。
しかし、その前走の鞍馬Sといえば、競馬界を揺るがす一大事となった“スマートフォンの不適切使用問題”が発覚した直後の開催だった。
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