
メジロマックイーンの孫が3連勝で菊花賞へ!出世レースの阿寒湖特別を完勝し、長距離の名手に大きな手応え

30日、札幌競馬場で行われた阿寒湖特別(2勝クラス)は、1番人気のナイトインロンドン(牡3歳、美浦・大竹正博厩舎)が勝利。今年4月が初勝利と遅れてきた大器が3連勝で菊花賞(G1)戦線に浮上した。
過去の勝ち馬にステイゴールドやマンハッタンカフェ、ファインモーションといった名馬が名を連ねる札幌の出世レースに、新たな新星が登場した。
14頭立て芝2600mのレースで単勝1.8倍の大本命に支持されたナイトインロンドンは、中団から早めの進出を開始すると4コーナーで先頭集団を射程圏に。最後の直線でも脚色は衰えず、2着ライリッズに2馬身差をつける完勝で3連勝を飾った。
「高いステイヤーの素質を感じさせるレースでした。レース後に大竹調教師も『道中、手が動いてると思いました』と指摘していたように、向正面で和田竜二騎手の手綱が動いていた際は『大丈夫かな?』と思ったのですが、どうやら手応え自体は『楽だった』そうです。
その名の通り、マイラーとして活躍したグレーターロンドンを父に持つナイトインロンドンですが、芦毛の馬体はメジロマックイーンを父に持つ母譲り。豊富なスタミナも母父から受け継がれているのかもしれません。ジョッキー、調教師とも菊花賞を意識したコメントをしていましたし、秋が楽しみになる1勝だったと思います」(競馬記者)
出世レースを完勝し、長距離の名手に大きな手応え
一昨年、昨年、そして今年と天皇賞・春(G1)で2着したディープボンドの主戦として有名な和田竜騎手だが、長距離の名手としても名高い。
古くは世紀末覇王と言われたテイエムオペラオーとの名コンビを始め、2005年の天皇賞・春では14番人気のビッグゴールドを2着に導いて大波乱を演出。最近でも2017年の菊花賞で13番人気のポポカテペトルで3着と、3000m以上のレースではどんな馬でも「和田竜騎手が乗っているだけで要注意」と言われるほどの成績を叩き出している。
「ここ3戦連続で東京を使われていたように、いわゆる跳びの大きな馬で本来は大きなコース向き。和田竜騎手も『小回りで楽ではないと思っていた』と振り返っていましたが、今回は勝負所で馬群を縫っていく器用さも見せていました。
和田竜騎手も『(札幌を)こなしてくれて先々に向けて収穫がありました』と、今回の勝利に大きな手応えを感じている様子ですし、近年の菊花賞は道中に動ける器用さも重要なファクターの1つ。今年は春のクラシックの上位陣が軒並み菊花賞へ向かうことが予想されていますが、『大きいコースならもっと動けるし、菊花賞に向けて楽しみ』と本人もまんざらではない様子でした」(同)
「菊花賞を目標に一度美浦に戻りますが、まだ馬は完成途上。暑いのでトライアルを挟むのかなどはまた考えます」とは大竹調教師。2勝クラスを勝ち上がったことで、賞金的にも菊花賞へ大きく視界が開けたことは間違いない。
歴史的名ステイヤー・メジロマックイーン譲りの芦毛の馬体が、秋の淀で大仕事をするかもしれない。
PICK UP
Ranking
23:30更新「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
JRA池添謙一「2度結婚」「DV不倫」よりも紆余曲折の騎手人生。オルフェーヴル三冠→外国人で凱旋門賞、勝負強さは当代随一だが……
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 武豊が社台に干された「曰く付き」阪神JF……”引退説”が囁かれた大スランプの原因「ダンスファンタジア事件」とは
- JRAマイネル軍団総帥・岡田繁幸さん逝く。武豊「僕の原点、この馬と一緒に全国区になった」絶体絶命だった天才を世に放った偉大な決断と信念【特別寄稿】
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 有馬記念に続き東京大賞典も「記憶力」が決め手…最強フォーエバーヤングから絞りに絞った2点で勝負!
- JRA「パワハラ訴訟」渦中もノーザンファームからの信頼は急上昇!? 藤沢和雄、堀宣行ら関東の名伯楽に迫る勢い、快進撃続く木村哲也調教師の「生き残り戦略」とは