【レパードS(G3)展望】川田将雅「能力が高すぎて勝ってしまった」大器ミスティックロアが中心! 関東オークス2着馬にも注目
8月6日、新潟競馬場では3歳限定のダート重賞、レパードS(G3)が行われる。過去10年で1番人気馬は「4-3-1-2」の好成績で、信頼度はかなり高いといえるだろう。
今年は怪物アロゲート産駒のミスティックロア(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が、ゲート入りを果たすことさえすれば、1番人気に支持されるはずだ。
キャリアはまだ3戦と浅いが、古馬と初対戦となった前走・1勝クラスが将来性を感じさせる好内容だった。3か月ぶりの実戦とあって、道中は行きっぷりが今一つ。鞍上の川田将雅騎手が促しながら中団を追走する形となったが、直線を向いて追い出されてからは鋭い伸び脚を見せた。
ラスト3ハロン時計は2位より0秒7速い37秒5をマーク。最後は粘るダンテバローズに3馬身の差をつけての快勝だった。
レース後、同馬を所有するDMMドリームクラブのホームページ(HP)上に掲載された川田騎手のコメントも大物ぶりが伝わる内容だった。
「地下馬道からあり得ないテンションで汗だくになり、鎧を履いていない中で前に暴れて飛んでいき」(原文ママ)と、レース前にはすでに“終戦モード”だったミスティックロア。しかし、「全く競馬を作れない中でも能力が高すぎて勝ってしまいました」と終わってみれば、他馬とは能力が何段階も違ったようだ。
管理する矢作調教師もクラブのHP上で「このクラスの馬ではないですし、ここで走っている馬ではないです」と高く評価。ただ、「能力は間違いないですが、テンションが課題になってくると思います」と、順調に出世するためにはメンタル面の成長を課題に挙げている。
川田騎手が「日本を代表するダート馬に育つ」と絶賛するミスティックロア。今回が重賞初挑戦となるが、世代限定戦ならここは通過点となる可能性が高そうだ。
ミスティックロアの1強ムードになり得る一戦で、対抗格として名前が挙がるのは、想定メンバーの中では唯一、重賞で連対経験があるラニ産駒のクレメダンジュ(牝3歳、栗東・鈴木孝志厩舎)だ。
前走は川崎競馬場の2100mで行われた関東オークス(G2)に出走。重賞初挑戦だったが、レースでは好位を追走し、パライバトルマリンに1馬身及ばず、2着に敗れた。
それでも最後の直線で1番人気メイショウオーロラを交わし、浦和・桜花賞馬のメイドイットマムの急追を凌いでの価値ある2着だったといえるだろう。
今回は牡馬との混合戦になるが、過去のレパードSで牝馬は「1-1-2-19」とまずまずの成績。勝ったのは2010年ミラクルレジェンドだけだが、それ以外にも人気薄の牝馬がたびたび馬券には絡んでいる。
クレメダンジュが牝馬というだけで軽視されるようなら、高配当をもたらしてくれる可能性は十分あるだろう。昨秋のデビュー2戦目(2歳未勝利)に今回と同じ新潟ダート1800mを走り、2着に好走している点も見逃せない。
エクロジャイト(牡3歳、栗東・安田隆行厩舎)は、前走の鳳雛S(L)でオープンクラス初勝利を挙げたヘニーヒューズ産駒だ。
前走は好スタートを決めてスムーズに先行すると、1000m通過が63秒2のマイペースの逃げ。ラスト4ハロンを13秒3-12秒6-12秒3-12秒2の加速ラップでまとめ、ゼットリアン以下の追撃を退けた。
道中は後続馬に強引に絡まれることもなく、展開に恵まれた面はあったが、最後の直線でもうひと伸びした粘り腰は高く評価していいだろう。
2走前のヒヤシンスS(L)でも差し馬有利な馬場と展開の中で3着に逃げ粘っており、今回もすんなりハナを切れるようなら怖い存在だ。
芝で7戦3勝のパクスオトマニカ(牡3歳、美浦・久保田貴士厩舎)は、これがダート初挑戦。2走前にプリンシパルS(L)を逃げ切ると、日本ダービー(G1)では大逃げを打ったものの、力及ばず13着に敗れた。距離短縮とダート替わりで変わり身を見せられるか。
きさらぎ賞(G3)で3着の好走歴があるクールミラボー(牡3歳、栗東・寺島良厩舎)は、ダートで「2-2-0-0」。まだ底を見せておらず、課題のスタートを決めることができれば、激走があってもおかしくないだろう。
この他にはホッコータルマエ産駒の2頭が、当レース父子制覇を狙う。
1頭目は、前走の八王子特別(2勝クラス)でセラフィックコールにハナ差の2着だったメイショウフジ(牡3歳、美浦・和田勇介厩舎)。2頭目は、同レース4着のソッコータルマカ(牡3歳、栗東・四位洋文厩舎)である。
父ホッコータルマエはダートG1・10勝を含む重賞14勝を挙げ、ダート界で一時代を築いた絶対王者だったが、重賞初制覇が11年前の当レースだった。メイショウフジとソッコータルマカは、父と同じようにこのレースをステップに出世街道を歩めるか。
これ以外にも2戦2勝のオメガギネス(牡3歳、美浦・大和田成厩舎)、古馬相手に2勝クラスを勝っているライオットガール(牝3歳、栗東・中村直也厩舎)などが虎視眈々とチャンスをうかがう。
2020年生まれの3歳馬は、中央と地方でダートの怪物候補がひしめき合うハイレベル世代。レパードSの出走馬にも怪物は潜んでいるのか。発走は8月6日の15時45分を予定している。
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