
横山武史「快挙目前」も遠かった師匠の背中…5人中4人を横山が独占の珍事も発生、菊花賞はソールオリエンスと二冠目指す

3日連続で重賞レースが行われた先週末は、土曜東京のサウジアラビアロイヤルC(G3)をゴンバデカーブース、日曜東京の毎日王冠(G2)をエルトンバローズ、月曜京都の京都大賞典(G2)はプラダリアが勝利。次代を担う素質馬の台頭もあれば、惜敗続きに終止符を打った実力馬の快勝も目を引いた。
関東リーディングをひた走る横山武史騎手は、3日すべて東京に参戦。皐月賞馬ソールオリエンスとのコンビで二冠を目指す菊花賞(G1)も22日に控えており、弾みをつけたいところだっただろう。
しかし、6戦全敗の土曜に続き、9鞍に騎乗した日曜も1番人気で1勝を挙げたのみ。土日2日で15戦1勝と目立った活躍はできなかった。重賞で上位人気馬に騎乗する機会がなかったとはいえ、横山武騎手の実力を思えば物足りなさの残る結果だったといえる。
いつもの土日開催なら絶不調で終わるところだが、3日間開催の先週末だからこそ、汚名返上のチャンスが巡ってきた。
9日月曜は全5鞍ともっとも少なかったにもかかわらず、1Rを2番人気フィリップ、3Rを2番人気コガネノソラ、5Rを4番人気ファビュラススター、7Rを6番人気タイセイキューティーとのコンビで騎乗機会4連勝。道中のレース運びも逃げ切りから差し切りと自在に騎乗馬を操った。騎乗馬に1番人気が1頭もいなかっただけに、横山武騎手が自分の手腕で勝ち取った勝利といっていいかもしれない。
ここまで来るとファンの注目は、この日最後の騎乗機会となった12Rの結果だ。コンビを組んだパイアイヤーは4月末にも同じ東京のダート1300mで勝利に導いた相棒。4番人気の評価でも勝算の立つ馬である。
12頭立てで争われた一戦で横山武騎手とパイアイヤーのコンビは好位4番手を軽快に追走。そのまま抜群の手応えで最後の直線を迎えると、鞍上の檄に応えて前の3頭を捉えにかかる。
「快挙目前」も遠かった師匠の背中…
だが、勢いよく末脚を伸ばしたものの、ゴール前で粘るスーパーリベロを交わすのが精一杯。勝ち馬には3馬身半の差をつけられる完敗を喫した。
懸命に追い上げるパイアイヤーを尻目に楽々と抜け出しを決めたのは、父の横山典弘騎手が騎乗していた1番人気のダノンミカエル。馬が強かったことは当然ながら、スタートからゴールまでスムーズなレース運びで直線もムチが一発も入らない大楽勝だった。

また横山典騎手としても、懇意にしている安田翔伍厩舎の管理馬で完璧な騎乗を見せたことに大きな意味があっただろう。というのも、日曜東京のメイン・毎日王冠で騎乗したジャスティンカフェも安田翔師の管理馬。レースは残念な結果に終わったが、完璧に乗りこなしてくれるならこの人しかいないと信じている理解者の期待に応えるダノンミカエルの騎乗でもあった。
父でありジョッキーとしての師匠でもある横山典騎手が息子の前で見せた完璧騎乗。レース後のコメントを出さないこともあり、本人の意図しない方向で誤解されがちな人物ではあるが、騎乗馬の将来や状態を考えてベストな選択を模索しているがゆえだろう。
奇しくもこのレースの掲示板に載った4頭の騎手は、1着横山典弘、2着横山武史、4着横山琉人、5着横山和生と横山姓の騎手が5人中4人という珍事も発生していたが、そんな話はどうでもいいか。
横山武騎手のソールオリエンスと横山典騎手のトップナイフが激突する菊花賞。関東を引っ張る横山一家の動向は、多くの競馬ファンの注目を集めそうだ。
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