武豊「引退発表」した名種牡馬の産駒とラスト一冠参戦決定!「精一杯頑張ります」千両役者と上がり馬のコンビが父に花添えなるか
国内外でG1・6勝のモーリスや有馬記念(G1)勝ち馬ゴールドアクター、香港ヴァーズ(G1)覇者ウインマリリンなど多くの活躍馬を輩出してきたスクリーンヒーローの種牡馬引退が決まった。
グラスワンダー産駒の同馬は2008年、ダービー馬のウオッカとディープスカイを破りジャパンC(G1)制覇。現役時代のG1タイトルはこの1つのみだったことを考えると、種牡馬入りしてからの産駒の活躍は予想以上のものだったといえるかもしれない。
祖母が現役時代に重賞5勝を挙げ、1987年から2年連続でJRA賞最優秀5歳以上牝馬に選出された名牝ダイナアクトレスという血統背景であったことも、種牡馬として好成績を残した理由の1つか。今後は生まれ故郷の社台ファームで余生を送る予定だという。
「スクリーンヒーローは現在19歳。父のグラスワンダーが25歳まで種牡馬として活躍したことを考えると、まだまだ頑張ってもらいたい気もしますが、すでに後継種牡馬となるモーリスやゴールドアクター、グァンチャーレを送り出していますからね。来年以降も産駒はデビューしますが、ひとまずはお疲れさまでしたといいたいです」(競馬誌ライター)
そんなスクリーンヒーロー産駒は今週末、土日合わせて10頭が出走予定。牝馬三冠レースの最終戦・秋華賞(G1)には、ソレイユヴィータ(牝3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)が挑む予定だ。
同馬は3連勝で7月の松島特別(2勝クラス)を制した上がり馬。ただ前哨戦の紫苑S(G2)は、前半1000m58秒1のハイペースを積極的に2番手で追走したこともあってか、直線で失速して12着に惨敗。そのため大一番では、まったくの人気薄となることが予想されている。枠順も8枠17番とかなりの外枠を引き当てたことで、厳しい戦いになることが避けられそうにない。
ただ今回は、ここ5戦で手綱を取っていた西村淳也騎手に替わり、武豊騎手と新コンビを組む。秋華賞を過去に3勝しているレジェンドを新たなパートナーに迎え入れたことは、本馬にとって大きなアドバンテージの1つだろう。
また武豊騎手にとっても、陣営からの騎乗依頼は願ってもない話だったと思われる。なぜならソーダズリングやライトクオンタムなど春の牝馬二冠でコンビを組んだ馬が続々と秋華賞を回避したことで、危うく“見学”になるところだったからだ。
ちょうど収得賞金1500万円でボーダー上だったが、無事に抽選も突破。レジェンドも公式サイトの日記に「騎乗馬なしも覚悟していましたが、ソレイユヴィータが4/5の抽選をかいくぐってくれました」「相手はめちゃくちゃ強いですが、精一杯頑張ります」と本番への意気込みをつづっている。
「武豊騎手はソレイユヴィータの兄メイショウナルトで小倉記念(G3)を勝っているだけに、この一族とはそれなりに好相性なのではないでしょうか。またソレイユヴィータも小倉と福島で3勝を挙げていることから、直線平坦の京都に替わるのはプラスと思われます」(同)
ソレイユヴィータを管理する杉山晴師も「あとは武豊騎手に任せます」と全権を託している。スクリーンヒーローの引退発表に花を添えるような好走を、千両役者の武豊騎手とソレイユヴィータに期待したい。
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