
岩田望来、菅原明良ら「花の35期生」の有望株に試練…「僕も成長します」3歳牝馬トップクラスの実力馬の戦線離脱にショック

10月の秋華賞(G1)で4着するなど、今年の牝馬三冠路線で活躍したドゥーラ(牝3歳、栗東・高橋康之厩舎)に左前脚の屈腱炎が判明したと発表された。高橋康師は『スポーツニッポン』の取材に「幹細胞移植をして放牧へ。1年以上の休養になります」と長期離脱を示唆している。
ドゥーラの父ドゥラメンテは、すでにタイトルホルダーやスターズオンアースなど多くの重賞馬を送り出している名種牡馬だ。ドゥーラと同世代には三冠牝馬リバティアイランドや菊花賞馬ドゥレッツァがおり、ドゥーラ自身も偉大な父から受け継いだ才能の片りんを見せつつある矢先だった。
オークス(G1)3着、クイーンS(G3)1着、秋華賞4着と近3走で着実な成長を見せ、将来的なG1制覇も予感させてくれたドゥーラ。そんな成長株が競走馬にとって「不治の病」と言われる屈腱炎に襲われたことは、ファンの間でも小さくはないショックだったようだ。

「花の35期生」の有望株に試練…
ただ、全国の競馬ファン以上にショックを受けているのが、主戦の斎藤新騎手だ。
「ゆっくり休んで成長して元気な姿をまた見せてください、僕も成長します」
相棒のアクシデントを受け、自身のSNSにそう決意を語った斎藤騎手。ドゥーラのコンビは7戦3勝、うち重賞2勝の実績をあげている。この5年目の若手騎手にとって「年賀状の写真もドゥーラにしたくらいですし、思い入れのある特別な馬です」と『日刊スポーツ』の取材で語るほどドゥーラは大切な相棒だ。
完勝した今夏のクイーンS後のインタビューでも「自信をすごく持って、ドゥーラが一番強いと思っていました」と絶大な信頼を見せた斎藤騎手。
しかし、その一方で現状は「ドゥーラ頼み」となっていると言わざるを得ない。
その活躍ぶりから「花の35期生」と期待される斎藤騎手の同期は岩田望来騎手、菅原明良騎手、団野大成騎手など重賞戦線でも活躍しているホープ揃い。特に岩田望騎手は現時点で97勝と、すでにトップジョッキーの仲間入りを果たしている。また団野騎手は今年の高松宮記念(G1)をファストフォースで制し、同期組で一足先にG1ジョッキーの仲間入りを果たした。
そんな同期の活躍を横目に、斎藤騎手は今年29勝。昨夏以降の重賞2勝は立派だが、ともにドゥーラとの勝利だ。今のところ重賞勝ちを狙えそうな他のお手馬はあまり多くなく、今年のG1騎乗回数も2回で、そのどちらもドゥーラの騎乗だった。
そんな斎藤騎手にとって、ドゥーラは有力なお手馬以上の存在だったはず。その離脱は、今後「最強のお手馬」なしで結果を出さなければならない試練を意味している。
斎藤騎手はSNSでドゥーラに向け「この悔しさをバネに、もっと良いエスコートしてあげるから一緒に頑張ろうね」と、相棒を気遣うとともに自身の成長を誓う決意を述べている。
屈腱炎を乗り越えたドゥーラが、大きく成長した斎藤騎手を背に乗せ再び走る。そんな日が訪れるのを待つばかりだ。
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