今村聖奈と永島まなみに「17-5」の大差負け!?救世主の期待はスーパールーキー調教師か…同じく「騎乗停止処分」を受けた両者の明暗クッキリ
競馬界のニューヒロイン候補と期待されていた今村聖奈騎手が苦戦している。
2022年の3月に寺島良厩舎所属でデビューした同騎手は、新人女性騎手としては異例の活躍を見せて勝ち星を量産。その後も先輩女性騎手の持つデビュー年の最多勝記録を更新し、テイエムスパーダとのコンビで制した同年7月のCBC賞(G3)では、重賞初騎乗初勝利の快挙も達成した。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで快進撃を続ける今村騎手は、ホープフルS(G1)でG1初騎乗の機会も得たように前途洋々のように思われた。
しかし、本人にとっても予期せぬ躓きとなってしまったのが、昨年5月に大問題となった開催日におけるスマートフォンの不適切使用の発覚だ。
その結果、競馬の公正確保に関する業務上の注意義務を怠ったとして、今村聖奈、永島まなみ、古川奈穂、小林美駒、河原田菜々、角田大河ら6名の騎手に対し、JRAは5月13日から6月11日まで30日間(開催日10日間)の騎乗停止処分を発表。当時まだデビュー3年に満たない若手騎手が同時に複数処分される異例の事態となった。まだまだこれからという時期に不祥事を起こしてしまったことは、今後の騎手人生で大きな影を落としたことは間違いない。
同じ騎乗停止処分を受けた他の騎手と騎乗数で明暗
とはいえ、各自がしっかりと反省し、もう一度真摯な姿勢で競馬に向かい合うことで失った信頼を取り戻すことは不可能ではないだろう。現在、女性騎手でトップの6勝を挙げている永島騎手、先月末の落馬で戦列を離れたとはいえ5勝で続く小林美騎手も奮闘している。
その一方で当時、女性騎手の中で勝利数トップを独走していた今村騎手は、今年に入ってまだ1勝と大苦戦。かつての勢いは鳴りを潜めてしまったように感じられる。
「最大の理由はもちろん、例の一件で関係者からの見る目が厳しくなったことであるのは間違いありません。ですが、同じように処分を下された永島騎手や小林美騎手は、むしろ処分を受ける前よりも成績を伸ばしている状況。こちらに関しては、処分後の対応で今村騎手と差がついた印象です。
特に顕著なのは各陣営からの騎乗依頼数の激減です。多かったときには、ひと月90鞍もあった乗鞍も減少の一途。騎乗馬の馬質も確実に下がっていることも、なかなか勝てなくなった理由のひとつでしょう。ここから再び上がっていくのは、並大抵の努力では難しいかもしれませんね」(競馬記者)
実際に今週末の騎乗予定馬を確認してみたところ、永島騎手が最多の17鞍、藤田菜七子騎手が8鞍、大江原比呂騎手が8鞍、河原田騎手が7鞍に対し、今村騎手は最少の5鞍しかない。以前は二桁の乗鞍を依頼されることも珍しくなかったことを思えば、今村騎手への向かい風は強くなっている気さえする。
ただ、今春から厩舎を開業する福永祐一調教師の存在は、復活を後押ししてくれる可能性がある。福永師は現役騎手時代に今村騎手を可愛がっていた間柄。ピンチに陥っている後輩へ騎乗馬を回してくれる機会もあるだろう。
厳しい状況下にあることは確かでも彼女はまだ20歳と若い。ひたむきな努力を積み重ねることで、再び関係者からの信頼を得るチャンスも残されているはずだ。
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