【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
24日、東京競馬場でジャパンC(G1)が開催される。
「世界に通じる馬づくり」を掲げて1981年に誕生、日本最大の国際レースとして歴史を刻んできたジャパンC。だが、日本競馬が世界トップレベルに成長した昨今、ホームアドバンテージのある日本馬の猛威は凄まじく、外国馬は参加するだけのような状況になっている。
しかし、今年は近年最高の外国馬が揃ったといっても過言ではない。
特にオーギュストロダン(牡4歳、愛・A.オブライエン厩舎)には2005年のアルカセット以来の外国馬優勝の期待がかかる。
英・愛ダービーを始め、ブリーダーズCターフなどG1・6勝という実績も然ることながら、オーギュストロダンは愛国生まれのディープインパクト産駒。日本のジャパンC挑戦は、ある意味で凱旋と言えるかもしれない。
ポイントは、やはり日本の高速馬場に適応できるか否か。昨年のブリーダーズCターフでは日本のシャフリヤールらを破って優勝しているが、シャフリヤールやリバティアイランドが好走した今年のドバイシーマクラシック(G1)では12着に大敗している。
すでに日本へ到着しており、27時間半掛かったそうだが「輸送はすべて順調に進みました。馬は飼い葉を良く食べ、水もよく飲んでいます」と陣営は問題なしを強調。来週の水曜日には芝で追い切り、馬場の感触を確かめることになりそうだ。果たしてオーギュストロダンは父の国で凱歌を挙げることができるか、その走りには世界が注目している。
迎え撃つ日本の総大将はドウデュース(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。
かつて、オーギュストロダンの父ディープインパクトは国内で一度だけ敗れたことがある。近代競馬の結晶とまで謳われた無敗馬に土をつけたのは、ドウデュースの父ハーツクライだ。
その後、最高レベルの種牡馬として何度もしのぎを削ってきた両雄だが、まさかこのような形でお互いの最高傑作が激突するとは、一体誰が想像できただろうか。2頭ともすでに他界しており、このジャパンCは2005年の有馬記念(G1)から19年続く因縁の最終決戦と言っても過言ではないだろう。
前走の天皇賞・秋(G1)では、自己ベストとなる上がり3ハロン32.5秒の豪脚でG1・4勝目を飾ったドウデュース。これまでどちらかと言えば早めにまくる競馬で結果を残していただけに、5歳秋にしてさらなる真価を示したことになる。
「ニッポンの総大将として迎え撃つ準備はできています」
自身の公式HPでそう決意を綴ったのは、ドウデュースの主戦・武豊騎手だ。かつてディープインパクトの主戦を務めたレジェンドにとっても感慨深い一戦になるだろう。
今年の外国馬はオーギュストロダンだけではない。仏国のゴリアット(セン4歳、仏・F.グラファール厩舎)もまた、世界屈指の実力馬だ。
欧州の上半期最大のレースとして知られるキングジョージ6世&QES(G1)でG1初制覇を飾ったゴリアット。今回は約半年ぶりのレースの上、日本への長距離輸送と楽な条件ではないが、何よりもオーナーサイドの意気込みが尋常ではない。
「ジャパンCは、どの馬がゴリアットの2着に来るのかだと思っています」
そう豪語するのは、オーナーのジョン・スチュワート氏だ。スチュワート氏は「日本の競馬はものすごく進化しています」とリスペクトを示した上で「ただ、ゴリアットは欧州最高峰の馬のレベルを日本で見せつけるでしょう」と自信満々といった印象だ。
さらにスチュワート氏はSNSを通じて「私たちはレースに参加するためにわざわざ日本へ行くわけではありません。勝つために、そして、ゴリアットが世界最強であることを示すために日本へ行くのです。ええ、この言葉を引用していただいて構いません」と、その自信と熱意を語っている。オーギュストロダンら一流馬を蹴散らした前走の走りが再現できれば、オーナーの言葉も真実になるはずだ。
他にも、二冠牝馬のチェルヴィニアとスターズオンアース、昨年の天皇賞・春(G1)を勝ったジャスティンパレス、昨年の菊花賞馬ドゥレッツァなどがスタンバイ。外国馬はさらに昨年の独ダービー馬ファンタスティックムーンが出走予定だ。
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