【マイルCS(G1)展望】欧州最強マイラーがR.ムーア騎手で参戦! マイルCS史上最強の外国馬の襲来を日本のブレイディヴェーグ、ナミュールらが迎え撃つ
17日、京都競馬場では秋のマイル王決定戦・マイルCS(G1)が開催される。今年で第41回を迎えるが、春の安田記念とは異なり歴代の優勝馬はすべて日本馬。だが、今年ついにその歴史に終止符が打たれるかもしれない。
欧州のトップマイラーとなるチャリン(牡4歳、英・R.ヴェリアン厩舎)が、日本のマイル王の座にその矛先を向けてきた。
英国の皐月賞にあたる英2000ギニー(G1)で8着に敗れるなど、3歳だった昨年はそこまで目立った存在ではなかったチャリン。しかし、約半年間の休養を経て今年3月に復帰を果たすと、いきなり勝利。そこから7戦して5勝2着2回と充実のシーズンを送っている。
特に、前走のクイーンエリザベス2世S(G1)で2着に退けたファクトゥールシュヴァルは、今年のドバイターフ(G1)で日本のドウデュースや昨年のマイルCS覇者ナミュールらを破って優勝した馬。そんな実力馬に2馬身差をつけての完勝だっただけに、その実力は世界トップクラスと言えるだろう。
ここ9戦連続で芝・1600mに出走して、G1を3勝。それもすべて馬券圏内に好走している。まさにマイルCS史上最強の外国馬と言えるが、ポイントは日本独自の高速馬場で本来の実力を発揮できるかということになる。鞍上は日本でもお馴染みのR.ムーア騎手だ。
迎え撃つ日本の総大将は、昨年のエリザベス女王杯(G1)の覇者ブレイディヴェーグ(牝4歳、美浦・宮田敬介厩舎)になりそうだ。
体質の弱さからキャリアはわずか6戦ながら、4勝2着2回とデビュー以来、連対を外したことがないブレイディヴェーグ。前走の府中牝馬S(G2)は昨年のエリザベス女王杯から約1年弱の休養を経ての出走となったが、最後の直線で大外を豪快に差し切って見せるなど、その力に陰りがないことを見せつけている。
前哨戦の勝利でエリザベス女王杯の連覇が期待されたが、少しでも間隔を開けたい陣営の思惑もあってマイルCSへ。ポイントは、やはり初のマイル戦ということになるが1800mは2勝2着1回と安定している距離だけに対応可能だろう。鞍上は主戦のC.ルメール騎手に決まった。
昨年の勝ち馬ナミュール(牝5歳、栗東・高野友和厩舎)も当然、チャンスの大きな1頭だ。
昨年のマイルCSでは、ほぼ最後方から上がり3ハロン33.0秒の鬼脚でG1初制覇を飾ったナミュール。その後もドバイターフや安田記念で2着するなど、その走りがフロックでなかったことを証明している。
そんなナミュールにとって頼もしいのは、C.デムーロ騎手の存在だろう。今年3月のドバイターフで初コンビを組むと、ドウデュースら日本・世界の強豪を相手に2着と堂々たる走り。2度目のコンビなら、さらに前進が見込めるはずだ。
実力馬ソウルラッシュ(牡6歳、栗東・池江泰寿厩舎)は、そろそろG1の勲章が欲しい。
今年の安田記念で香港のロマンチックウォリアー、ナミュールに次ぐ3着。特に2着ナミュールとはハナ差とG1級の実力は誰もが認めるところだろう。4歳から春秋のマイル王決定戦に皆勤しており、マイルCSは3度目の挑戦となる。一昨年が4着、そして昨年はクビ差の2着。3度目の正直が実るか注目だ。今年からコンビを組む団野大成騎手の手綱さばきにも注目だ。
他にも、前走の富士S(G2)でソウルラッシュを破ったジュンブロッサム、一昨年のマイルCSの勝ち馬セリフォス、重賞2勝のエルトンバローズらがスタンバイ。先月の天皇賞・秋(G1)で5着に好走したマテンロウスカイ、重賞4勝のウインマーベルは1600mが鍵になりそうだ。
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