
【エリザベス女王杯(G1)展望】背水の陣で挑むレガレイラが中心! G1初制覇狙う若手騎手に乗り替わりの明暗

10日、京都競馬場で秋の女王決定戦・エリザベス女王杯(G1、芝2200m)が開催される。4年ぶりの京都開催で行われた昨年は3歳馬のブレイディヴェーグがG1初制覇。今年はどんなドラマが待っているのか、さっそく展望していきたい。
例年より小粒なメンバーとなった印象だが、中心は3歳馬のレガレイラ(牝3歳、美浦・木村哲也厩舎)だ。
昨年末のホープフルS(G1)制覇は、牝馬として史上初の優勝と歴史にその名を刻んだレガレイラ。今年は規格外の牝馬として、牡馬クラシックで堂々の主役を張ることが期待されたが、1番人気に推された皐月賞(G1)で6着に敗退すると、続く日本ダービー(G1)でも5着。牡馬の壁に跳ね返される結果となった。
今回は秋華賞トライアルのローズS(G2)から始動。意外にも、これが牝馬限定戦初参戦ということもあって単勝1.7倍の大本命に推されたが、まさかの5着。スタートで後手を踏み後方からの競馬を強いられると、最後は上がり3ハロン最速となる33.1秒の末脚で追い上げたが、掲示板の確保が精一杯だった。
予期せぬ敗戦に主戦のC.ルメール騎手は「目標はG1ですから」と前を向いたが、その後は秋華賞をパスしてエリザベス女王杯に駒を進めたレガレイラ。同世代の二冠馬チェルヴィニアがジャパンC(G1)へ、府中牝馬S(G2)を勝った昨年の覇者ブレイディヴェーグがマイルCS(G1)へと、他のノーザンファーム系の強力なライバルがいないだけにここは負けられない戦いになりそうだ。
シンリョクカ(牝4歳、美浦・竹内正洋厩舎)の木幡初也騎手にG1初制覇の大きなチャンスが巡ってきた。
2022年の阪神ジュベナイルF(G1)で12番人気の低評価を覆して2着。女王リバティアイランドには敵わなかったが、木幡初騎手とシンリョクカとの初コンビは強烈なインパクトを残した。翌年のクラシックではデビュー戦で騎乗した吉田豊騎手とのコンビで挑んだものの桜花賞(G1)6着、オークス(G1)5着と今一歩の成績。秋の府中牝馬Sで10着に大敗したことで、再び木幡初騎手にチャンスが巡ってきた。
その後、なかなか結果が出なかったが、今年3月の中山牝馬S(G3)3着できっかけを掴むと、夏の新潟記念(G3)を勝利。人馬共に嬉しい初重賞を飾ってG1の舞台に戻ってきた。大舞台では一歩足りない印象だが、ここまでメンバーレベルが落ちるならチャンスはあるはず。乾坤一擲の走りを期待したい。
一方、ホールネス(牝4歳、栗東・藤原英昭厩舎)の主戦・西塚洸二騎手にとっては、残念な乗り替わりとなってしまった。
昨年4月のデビュー戦から、ここまで6戦して4勝2着1回3着1回。馬券圏内100%の安定感を支えてきたのが西塚騎手だ。しかし、G1初挑戦となる今回は坂井瑠星騎手に乗り替わり。レモンポップやマッドクール、フォーエバーヤングの主戦を務めるなど、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの若手騎手だけに順当な“鞍上強化”と言えるかもしれないが、残念に思うファンも少なくないだろう。坂井騎手は結果で応えたい。
他にも府中牝馬Sを上がり3ハロン32.8秒の末脚で2着したシンティレーション、2022年の秋華賞馬スタニングローズ、福島牝馬S(G3)を勝ったコスタボニータ、昨年の紫苑S(G2)の勝ち馬モリアーナ、昨年の3着馬ハーパーなども出走予定だ。
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