GJ > 競馬ニュース > 「何とかしてあげたかった」武豊を背にデビュー2連勝も悪夢の屈腱炎…志半ばでターフを去った大器の近親で「苦労人調教師」が待望の初タイトル
NEW

「何とかしてあげたかった」武豊を背にデビュー2連勝も悪夢の屈腱炎…志半ばでターフを去った大器の近親で「苦労人調教師」が待望の初タイトル

【この記事のキーワード】, ,
「何とかしてあげたかった」武豊を背にデビュー2連勝も悪夢の屈腱炎…志半ばでターフを去った大器の近親で「苦労人調教師」が待望の初タイトルの画像1
坂井瑠星騎手 撮影:Ruriko.I

 23日に行われた毎日杯(G3)は、ハナを奪った5番人気メイショウタバル(牡3歳、栗東・石橋守厩舎)が直線に入ると後続をさらに突き放し、最後は2着に6馬身差をつける圧勝劇を演じた。

 騎乗した坂井瑠星騎手も「本当に強い内容。この相手にこれだけの着差をつけたのですから、今後が楽しみです」とパートナーを絶賛。混戦模様の牡馬クラシック路線に超新星として浮上した。

 また、この勝利がJRA初重賞制覇となったのが、メイショウタバルを管理する石橋厩舎だ。

 メイショウサムソンとのコンビで2006年の皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)を優勝した元騎手としても知られる石橋師。2014年の厩舎開業から11年目にして待望の初重賞タイトルである。

 石橋師はレース後「(重賞は)騎手時代と同じでなかなか勝てなかったね。お世話になっているオーナーの馬で勝てて良かった。恩返ししていければ」と関係者に向けて感謝の言葉。メイショウタバルの今日の勝ちっぷりを見れば、そう遠くないうちに2つ目、3つ目のタイトルを手にしても不思議ではない。

 そんな石橋厩舎に初タイトルをもたらしたメイショウタバルだが、かつて同厩舎に在籍していた牝馬ロンの近親でもある。

「未完の大器」ロンの近親で待望の初タイトル

 ロンは主戦の武豊騎手とともに2021年8月のデビュー戦を3馬身半差で快勝すると、続く野路菊S(OP)も4馬身差をつけて2連勝。石橋師も「折り合いもついたし強い内容だった」と素質を高く評価し、暮れの2歳G1、さらに翌年の牝馬クラシック戦線でも活躍が期待された逸材であった。

 しかし、体調が整わずに阪神ジュベナイルF(G1)を回避すると、その後、屈腱炎を発症……。約1年3ヶ月の休養を経て復帰したものの、3戦して未勝利。そして再度の屈腱炎……。結局G1はおろか重賞にすら出走が叶わず今年1月、その競走生活に幕を下ろした。

「デビュー2連勝を遂げた頃には石橋師もロンとともに重賞タイトルはもちろんのこと、大舞台に挑むシーンなども思い描いていたのではないでしょうか。

それだけにロンが故障で引退した後、石橋師は『本当に乗り味のいい馬だった』『それだけに何とかしてあげたかった』(中日スポーツより)と、まさに意気消沈といった様子でした」(競馬誌ライター)

 残念ながらロンを大成させることはできなかった石橋師だったが、そんな同馬の近親であるメイショウタバルとともに初重賞制覇を飾れたのだから、今回の勝利は師にまた特別な感情をもたらしたのではないだろうか。

 毎日杯の勝利で牡馬クラシックの有力候補に躍り出たメイショウタバル。石橋師にとってはロンと叶わなかった春クラシック参戦、そして悲願のビッグタイトルも見えてきそうだ。

GJ 編集部

GJ 編集部

真剣勝負の裏にある真実に切り込むニュースサイト「GJ」の編集部です。これまで作成した記事は10000本以上。競馬歴10年超えの情報通が業界の「しがらみ」を取り払った「本音」や「真実」にも臆することなく、他のサイトとは一線を画したニュース、サービス提供を行っています。

真剣勝負の真実に切り込むニュースサイト「GJ」

Twitter:@GJ_koushiki

Instagram:@goraku.horse.racing0505

「何とかしてあげたかった」武豊を背にデビュー2連勝も悪夢の屈腱炎…志半ばでターフを去った大器の近親で「苦労人調教師」が待望の初タイトルのページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

23:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
  2. ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
  3. 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
  4. 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
  5. 武豊ドウデュースに「最強刺客」立ちはだかる…今年のジャパンCで「外国馬は消し」が危険すぎる理由
  6. エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
  7. C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
  8. 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
  9. 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
  10. 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!