【大阪杯(G1)直前マル秘情報】タスティエーラ「前走は+18kgが敗因ではない」ソールオリエンス「もっと長距離のレースの方が…」ローシャムパーク「上位に食い込める」ベラジオオペラ「十分G1を獲れる能力」
大阪杯、直前「生」情報
今週の日曜メインは大阪杯(G1)。だがトップクラスの実力馬が多数、ドバイワールドカップデーに出走することもあって、少々物足りなさを感じる。だが、実力が抜けた馬が出走しないからこそ、ここがG1制覇のチャンスと息巻いている陣営も多いようだ。
さまざまな思惑が絡み合う一戦へ。出走馬の関係者たちから、聞いていて損はない情報が編集部に伝わってきた。今回はその一部をお届けしよう。
ダービー馬・タスティエーラ(牡4歳、美浦・堀宣行厩舎)は巻き返しを誓う。
前走の有馬記念(G1)は6着。中盤までは順調に運ばれるも、勝負どころの直線入り口でアクシデント発生。ジャスティンパレスに寄られ、鞍上のR.ムーア騎手が立ち上がるほどの不利を受けてしまう。なんとか体勢を立て直したムーア騎手が再び上位陣を捉えようと促すも、掲示板に載ることができなかった。
「有馬記念は2着だった菊花賞(G1)から+18kgでの出走。成長分もあったとはいえ、少し馬体も太めに見えた人も多く、大幅な増量が話題となりました。あの不利のほかに、これを敗因のひとつと挙げる人もいたようです。
しかし、堀師は『体重増が原因ではない』と状態は問題なかったことを強調。今回も『もし馬体重が増えていても、まったく問題ありません』とあくまで成長しているだけと話していました。
また同馬は喉が鳴る病気のDDSPであることも知られていますが、『息はあらかた出来ているし、今週の追い切り後、症状は出ていません』と、こちらも問題なしとのこと。状態面は悪くなさそうです」(美浦関係者・A)
前走の屈辱を晴らすことはできるか。
香港帰りのローシャムパーク(牡5歳、美浦・田中博康厩舎)は、今年の飛躍が大きく期待される存在だ。
一昨年のセントライト記念(G2)で3着に入り、菊花賞の優先出走権を得るも、陣営は距離適性も考慮して同レースを回避。2勝クラスから再出発を選んだ。
その戦略が功を奏し、国内では5戦4勝と大活躍。G1・3勝馬タイトルホルダーに0.2秒差をつけて快勝したオールカマー(G2)では、騎乗したC.ルメール騎手が「絶対にG1レベルに行ける」と太鼓判を押していた。
だが、勢いそのままに挑んだ香港C(G1)では3番人気ながら8着と大敗。田中博師は「パフォーマンスが少し落ちている感触。もうひとつ上手い状態に持っていけてなかったのかもしれません」と肩を落としている。
「前走後、ノーザンファーム天栄に放牧に出されたことで、心身ともにリフレッシュできたようです。実績から見ても、内回りの2000mのコースは問題なくこなせるでしょう。田中博師は『いい脚を長く使えるのが長所。上位に食い込める可能性も十分です』と強気でしたよ」(美浦関係者・B)
大舞台での巻き返しに期待したい。
大器の片鱗を見せ始めているベラジオオペラ(牡4歳、栗東・上村洋行厩舎)。
日本ダービー(G1)で勝ち馬からタイム差なし4着と好走。秋は菊花賞も視野に調整が行われていたが、夏負けに加えて蹄の不安もあって、陣営は回避を発表した。
立て直しの1戦となった同年暮れのチャレンジC(G3)では、有力古馬を相手に重賞2勝目をゲット。今年の始動戦となった京都記念(G2)でも勝ち馬から0.1秒差の2着と結果を残している。
「前回は上手さを見せたものの、併せた相手にもうひと伸びされて敗れています。ロードカナロア産駒ということもあり、距離も微妙に影響したかもしれません。
レース後も反動などはなく、順調そのもの。中間の稽古でもスムーズな動きを見せてくれています。スタッフも『阪神は好相性で、距離的にも2000mがベスト。十分G1を獲れる能力はあると思っています』と期待を寄せていましたよ」(栗東関係者・A)
関係者が『(本格化は)古馬になってから』と口を揃えているベラジオオペラ。ここが飛躍のきっかけとなるか。
悩めるG1馬ソールオリエンス(牡4歳、美浦・手塚貴久厩舎)は、取捨選択が難しい1頭だ。
昨年は皐月賞(G1)を勝ち、日本ダービー2着、菊花賞3着と、三冠レース皆勤を果たし、いずれも馬券圏内という素晴らしい成績を収めた。
だが、その後が続かず。有馬記念では4番人気ながら8着と敗れると、1番人気に支持された今年の中山記念(G2)でも4着。思うような結果を残せないでいる。
「調教で浅いブリンカーを試すなど試行錯誤しているようです。手塚師も『いいアクセントとなって息遣いも上々でした』と好感触でしたね。
ただ現状はもっと長い距離にシフトしているようで、(大阪杯は)皐月賞と同じ2000mですが、微妙に短いかもしれません。手塚師は『前走で中山の1800mを使っているので、その経験が生きてほしい』と語っていましたが……」(美浦関係者・C)
今回は皐月賞をともに制した横山武史騎手と再タッグ。G1コンビで復権なるか。
プラダリア(牡5歳、栗東・池添学厩舎)は、悲願のG1制覇を狙う。
昨年の京都大賞典(G2)で約1年半ぶりに重賞制覇。有馬記念では14着と大敗したものの、今年の京都記念で見事に優勝。先頭集団を見る形で運ばれると、直線で外から進出。ベラジオオペラとの追い比べを制して重賞3勝目を挙げた。
「有馬記念は大敗しましたが、2週続けて騎手を乗せて追い切ったため、気持ちが乗り過ぎてしまったことも敗因のひとつだそう。前走の京都記念ではその辺も意識して、直前の坂路では騎手を乗せないで稽古をしていましたね。これが見事にハマり、最後のもうひと伸びにもつながりました。
一瞬の脚こそ持ち合わせていないものの、併せると根性を見せて粘り強く走ってくれるタイプ。持ち味を生かせる展開になれば期待できますよ」(栗東関係者・B)
持ち前の勝負根性を武器に上位に迫れるか。
侮ると怖い1頭として名前が挙がったのがハーパー(牝4歳、栗東・友道康夫厩舎)。
桜花賞(G1)4着、オークス(G1)2着、秋華賞(G1)3着と牝馬三冠で安定した成績を残し、エリザベス女王杯(G1)も3着と好走。だが、暮れの有馬記念では実績馬の高い壁に跳ね返される形で9着に終わっている。
「有馬記念は相手関係を含めて条件的に厳しかったですね。ただハーツクライ産駒ですので、明け4歳以降に本格化すると陣営は読んでいたよう。大阪杯を目標にバッチリ乗り込んできたみたいです。若干、決め手で劣る部分はありますが、操縦性はピカイチ。阪神の2000mは合っていそうです」(栗東関係者・C)
本格化したハーパーが上位陣を脅かす?
キラーアビリティ(牡5歳、栗東・斉藤崇史厩舎)は、ここに来て復調気配を見せている。
一時は成績が安定しなかったものの、昨年の中日新聞杯(G3)4着と好走。今年に入ってからも、サウジアラビアのキングアブドゥルアジーズで行われたネオムターフC(G2)で2着と結果を出した。
「去年の暮れ頃から、いい頃の雰囲気が戻ってきました。海外から帰国後は阪神競馬場で調整していますが、落ち着きがあって状態はいい意味で横ばい。
最終追い切りでも折り合いは問題なく、コントロールの利いた動きを見せていましたよ。これまで2000mの距離が最も結果を出していますし、今のデキでうまく立ち回れれば上位も十分あります」(栗東関係者・D)
ここで完全復活か?
昨年の12着で終わったヴィクトリアマイル(G1)後に左前脚の腱周囲炎を発症し、長期の戦線離脱を余儀なくされていたスタニングローズ(牝5歳、栗東・高野友和厩舎)。今回から復帰するものの、気持ちが戦闘モードに入っていないのかもしれない。
「元々見栄えするタイプでしたが、馬体はさらにたくましくなっていて、牝馬とは思えないくらいです。稽古での動きも問題なく、久々な感じもありませんでした。
ただスタッフによれば、精神面に不安があるようで『前回は走る事に対して後ろ向きな感じだった。今のところはいい雰囲気だけど……』と不安をのぞかせていました」(栗東関係者・E)
当日の気配に注目する必要がありそうだ。
屈腱炎を乗り越えたステラヴェローチェ(牡6歳、栗東・須貝尚介厩舎)は、ここで完全復活をアピールしたい。
一昨年のドバイシーマクラシック(G1)9着後に屈腱炎が判明。約1年7カ月にわたって戦線を離脱。昨年の富士S(G2)で復帰を果たすも初戦は7着、続くダートの武蔵野S(G3)では殿負けを喫するなど苦戦が続いていた。
しかし、前走の大阪城S(L)で一変した。58.5kgと出走馬の中で最も重い斤量を背負いながらも、デビットバローズとの叩き合いを見事に制して優勝。明け3走目で結果を出した。
「脚元がようやく落ち着いてくれたので、コース追いを取り入れることができたようです。前走の好走は、その効果もあったのではないでしょうか。
前走から出走間隔は詰まりますが、1週前には好時計をマークと状態は上向き。直前でも折り合いもスムーズで状態は問題なさそうです。スタッフも満足げで『阪神は得意なので楽しみ』だと話していましたよ」(栗東関係者・F)
G1の舞台で再び輝きを見せるか。
様々な陣営の思惑が絡み合い、熱いレースが期待される大阪杯。発走は15時40分を予定している。
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