またもG1当日に「異常事態」発生!? ファンを置き去りにしてJRAは一体どこに向かっているのか
実際に当時G1を5勝し前走でも単勝1.6倍に応えて圧勝していたゴールドシップは、天皇賞・春ではまさかの2番人気。1番人気は高速馬場が得意なダービー馬キズナに譲った。
ところがレースが終わってみればゴールドシップが快勝。この時はスターホースがついに苦手課題を克服したものだと思い、皆が大きな祝福を送った。しかし、レース後に数々の騎手から直前に「芝に散水があった」とのコメントが寄せられたことで状況は一変。
当時のファンやメディアの間では「JRAが散水し芝のコンディションが変化したおかげで、ゴールドシップが勝てたのではないか」という見解が圧倒的多数を占めたのだ。
その後、この騒動は後にデイリースポーツがJRAの馬場造園課に直撃取材するまでに発展。最終的に「改善に取り組んでいきたい」という言葉を引き出して、一応の決着がついた。
しかし、そんな騒動から1年も経たぬ内に、それもG1というJRAにとっての看板商品で、またもファンを置き去りにするような行為が起こってしまった。
無論、それが競走を安全に行うために為されたことは理解できる。だが、それでもこれだけ極端に変化するのであれば、事前にファンに何らかの告知等を行うことはできなかったのか。
最も救われないのは、最終週の馬場コンディションを知る機会がまったくなかった、金曜発売の馬券を購入したファンだろう。それは例えば、通販で購入した商品が、到着までに別の色に替えられてしまったような気持ちなのではないだろうか。
いずれにせよ、こういった現象は週明けから馬券の検討を始めるような「熱心な競馬ファン」の考察や検討を踏みにじる結果しか生まない。伝えなければならない情報を正確に伝えてこそ、JRAが掲げ、日本が世界に誇る「公正競馬」なのではないだろうか。