JRA札幌記念(G2)フィエールマン「距離不安」は? 凱旋門賞前哨戦で見る本質
8月18日、札幌記念(G2、芝2000m)が開催される。今年も豪華メンバーが揃ったが、秋には凱旋門賞(仏G1、芝2400m)出走が予定されているフィエールマン(牡4歳、美浦・手塚貴久厩舎)について検討する。
フィエールマンは昨年の菊花賞(G1、芝3000メートル)を優勝し、今年の天皇賞・春(G1、芝3200メートル)を制した。6戦4賞2着2回。複数のG1を制しながら、いまだ大きく崩れたことはないという意味で、アーモンドアイと並ぶ現役最強馬と言っていい。これまでの6戦は次のとおり。
東京 新馬戦(芝1800メートル) 1着(クビ差)
中山 山藤賞(芝1800メートル) 1着(2馬身1/2差)
福島 ラジオNIKKEI賞(G3、芝1800メートル) 2着(1/2馬身差)
京都 菊花賞(G1、芝3000メートル) 1着(ハナ差)
中山 アメリカJCC(G2、芝2200メートル) 2着(アタマ差)
京都 天皇賞・春(G1、芝3200メートル) 1着(クビ差)
能力の違いで勝った新馬戦と山藤賞を除いた4つの重賞について見てみよう。優勝した菊花賞と天皇賞・春はいずれも3000メートル級のレースであり、敗北したラジオNIKKEI賞とアメリカJCCは1800メートルと2200メートルのレース。単純に考えれば距離が長ければ長いほど高いパフォーマンスを発揮できるということ。つまり、札幌記念の2000mはフィエールマンにとって鬼門と言える。
しかし、距離とは関係なしにラジオNIKKEI賞とアメリカJCCの敗因を探ることもできる。ラジオNIKKEI賞は初の輸送で馬体重が10キロ減ってしまっていた。これがエンジンのかかりが遅くなってしまった原因だ。アメリカJCCは1年以上の休み明けだったシャケトラ以外に強敵のいないレース。陣営の慢心もあったかもしれない。目標を3月のドバイに置いていたこともあり、万全の出来ではなかったはず。
一方、勝利した菊花賞と天皇賞・春のレース振りはどうだったろうか。もちろん、本番レースであるので万全の体調で臨んだはず。ただし、それよりも特筆すべきは競り合いでの強さだ。菊花賞ではエタリオウが先に抜け出し、フィエールマンがエタリオウを差した。エタリオウが差し返してきたものの、フィエールマンはハナ差ではあるがエタリオウを抑えている。天皇賞・春ではグローリーヴェイズとの一騎打ちになったが、フィエールマンは一歩も譲ることなくクビ差で勝利した。
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