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JRA「5連勝の中身」ディアンドル北九州記念制覇可能性は? 裏街道だからこその心配も

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 18日、小倉競馬場で北九州記念(G3、芝1200メートル)が開催される。1200メートル戦を5連勝中と勢いに乗っている3歳馬ディアンドル(牝3歳、栗東・奥村豊厩舎)について検討しよう。

 ディアンドルの父はキセキやメールドグラースなどを出しているルーラーシップ、母の父は日本ダービー馬スペシャルウィーク。決してスプリンターを作るための配合ではなかっただろう。ただし、祖母のシェーンクライトは小倉2歳S(G3、芝1200メートル)の前哨戦フェニックス賞(オープン、芝1200メートル)の勝ち馬であり、スプリンターが登場しても不思議ではない血統だ。

 それにしても5連勝はダテに達成できるものではない。5連勝の内容は次のとおり(最後のカッコ内は2着馬)。

小倉 未勝利戦 北村友一 1馬身半差(ソンリッサ)
中山 カンナS(500万下) J.モレイラ 2馬身半差(ホウオウカトリーヌ)
中山 クリスマスRS(オープン) O.マーフィー 2馬身差(ルマーカーブル)
阪神 マーガレットS(L) C.ルメール 1馬身3/4差(イッツクール)
京都 葵S(重賞) 藤岡佑介 アタマ差(アスターペガサス)

 5戦すべて異なる名手が騎乗していることがわかる(実は、唯一2着に敗れた新馬戦では福永祐一騎手が騎乗しているので、全6戦すべてで異なる騎手が騎乗している)。奥村豊調教師は「(それぞれの)ジョッキーがしっかり教えてくれて、周りの馬やペースを見ながら競馬ができるようになってきた」と前向きにとらえている。今回の鞍上予定は北村友一騎手。古馬相手の一戦となるだけに2度目の騎乗は心強い。

 勝ちタイムはほぼ1分8秒台。メンバーレベルの上がった前走の葵Sでは1分8秒0と時計を詰めている。ハンデ52キロで走れる北九州記念では更に時計を短縮することも可能だろう。14日に行われた最終追いきりでは栗東・坂路を馬なり、ラスト1Fは12秒3でまとめた。奥村調教師は「先週の反応が良く、競馬に行ってしっかり動けると判断して直前は馬なりにした」と語り、「まだこれからの馬だけど、どれだけの競馬ができるか」と、年長馬相手へのチャレンジを楽しみにしている。

 北九州記念で6連勝を飾れば、ディアンドルは一気に秋のスプリンターズS(G1、芝1200メートル)の有力候補になれるのだろうか。

「北九州記念は十分チャンスがあるでしょうね。とはいえ、スプリンターズSで勝ち負けするためには、より一層のパワーアップが必要なのではないでしょうか。5連勝で負かしてきた相手はほとんど出世していませんからね。葵Sで2着だったアスターペガサスは函館SS(G3、芝1200メートル)で2着に好走していますが、薬物問題で7頭立てとなったレースですから高評価は禁物です。

 ディアンドルが新馬戦で負けた馬がファンタジストです。ファンタジストは2歳時に小倉2歳S(G3、芝1200メートル)と京王杯2歳S(G2、芝1400メートル)で2つの重賞を制覇、3歳時には距離不向きなクラシックに挑戦しました。重賞を勝っている短距離馬にとって3歳春は使えるレースがないんです。一方、ディアンドルは裏街道で上手く立ち回って、弱い相手に5連勝してきたに過ぎないという見方もできます。

 葵Sの勝ち馬にはロードカナロアなどの名馬も名を連ねていますが、例年であれば後に大成する馬はいません。馬券から飛ぶとは言いませんが、信頼するよりは先ずは疑ってかかるべきではないでしょうか」(競馬ライター)

 奥村調教師が「これからの馬」と言うように、成長途上の3歳馬。競走馬として見限る必要はないが、今後の成長に期待すべき1頭ということだろう。北九州記念では大いに楽しみであると同時に、不安もある1頭と言えそうだ。秋につながる走りを見せてほしい。

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