JRA社台「令和のサンデーサイレンス」スタッドイン!ディープ・キンカメの穴を埋められるか!?
今年から社台スタリオンステーションで注目の新種牡馬ブリックスアンドモルタルが繋養開始となる。
ブリックスアンドモルタルは父Giant’s Causeway、母Beyond The Waves(母父Ocean Crest)という血統のアメリカ産馬だ。Storm Birdの3×3のクロスを持つのが特徴だ。また父父Storm Catは日本でもブルードメアサイアーとして活躍している。
日本ではGiant’s Causewayの産駒の出走頭数は多くないものの、マイルCS(G1)を制したエイシンアポロンを輩出している。またStorm cat産駒のシーキングザダイヤはダートで好走している。このことから血統面においては、芝・ダート問わず産駒の活躍が期待される。
ブリックスアンドモルタルの現役時代はすべて芝のレースを走り、13戦11勝(うちG1・5勝)の成績を残している。昨年は6戦全勝、うちG1・5勝という記録で、エクリプス賞(年度代表馬)を受賞した。ダートが主流のアメリカで芝レース中心でのエクリプス賞受賞は、ワイズダン以来6年ぶりの快挙である。
またエクリプス賞受賞馬が引退後すぐに来日するのは、大種牡馬サンデーサイレンス以来30年ぶりになる。
昨年、種牡馬としても日本競馬を牽引したディープインパクト、キングカメハメハがこの世を去った。そこで、社台スタリオンステーション・吉田照哉代表が混沌とする種牡馬界に、次の一手としてブリックスアンドモルタルの導入を決断した。
吉田代表は昨年8月に4憶円でブリックスアンドモルタルを購入。その後、同馬はブリーダーズカップターフ(G1)を勝利、さらにはエクリプス賞受賞とさらに価値を高めた。やはり同氏の相馬眼は流石の一言に尽きる。
社台グループはこれまでにノーザンテースト、リアルシャダイ、トニービン、サンデーサイレンスといった種牡馬を買い付け、日本競馬の発展に大きく貢献していることは言うまでもない。これらの血筋は日本競馬界で脈々と受け継がれている。
1972年に吉田照哉氏が父・善哉氏からノーザンダンサー産駒の買い付けを依頼され、購入したのがノーザンテーストだ。また1990年、善哉氏がサンデーサイレンスを購入できたのは、照哉氏のアメリカで研修していた時の生産界との繋がりがきっかけとなっている。
果たして、「昭和」のノーザンテースト、「平成」のサンデーサイレンス、「令和」のブリックスアンドモルタルとなるのか。
また今年から14年、16年のエクリプス賞馬・カリフォルニアクロームがアロースタッドで繋養開始となる。「エクリプス賞馬対決」にも注目が集まる。
産駒のデビューは3年後を予定している。ブリックスアンドモルタルが令和の時代を席巻することに期待したい。
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