
【徹底考察】京都大賞典(G2) キタサンブラック「現役最強を示した宝塚記念。名馬から歴史的名馬への飛翔に向け、唯一の死角は『武豊の計算』か」

『考察』
天皇賞馬となり、名実ともに日本競馬を牽引する立場となったキタサンブラック。秋初戦の京都大賞典(G2)はメンバー的に頭一つ抜けた存在であり、キャリア12戦目で初めて1番人気になることは間違いないだろう。
この春は大阪杯(G2)、天皇賞・春(G1)、宝塚記念(G1)と3戦して2着、1着、3着。その中で、改めてこの馬の強さを実感できたのは、勝った天皇賞・春よりも、むしろ宝塚記念だ。
ファン投票1位、馬券では2番人気に支持されて迎えた春のグランプリ。2枠3番という好枠からいいスタートを切ったキタサンブラックは、敢然とハナを奪いに行き、あっさりと先頭にたった。
最初の200mは12.6秒。逃げ馬としては理想的なペースで入っている。その後、キタサンブラックは最後の最後でマリアライトとドゥラメンテにかわされるまで一度も先頭を譲っていない。
目立ってキタサンブラックに競り掛けてくる馬もおらず、鞍上の武豊騎手も道中で派手なアクションを見せることなく、ペースを握り続けていた。
しかし、1000mの通過は59.1秒。稍重であったことを考慮すれば、相当速いペースだ。
これがどれほど先行勢にとって苦しいペースだったのかは、キタサンブラックを追走する形で前にしたワンアンドオンリー、トーホウジャッカル、アンビシャスがそろって14、15、16着に大敗していることからも容易に想像できる。
さらにこのレースの上がり最速は、ドゥラメンテの36.1秒。これは同日に同距離で行なわれ、走破時計が宝塚記念よりも2秒以上遅かった500万下の34.7秒よりも遥かに遅い。
つまり、それだけ厳しいレースだったということだ。
そんな中、最後の最後まで抵抗して3着に粘ったキタサンブラック。敗れはしたものの、宝塚記念で最も強い競馬をした馬であることに疑いの余地はない。
この秋はここからジャパンCを経て有馬記念に参戦予定。これからは名馬から、オルフェーヴルやゴールドシップといった歴史的名馬の仲間入りを果たすために、さらなるタイトルの上積みを目指す戦いになる。
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