JRAフィリーズレビュー(G2)盗んでいくのは桜の切符!? カリオストロに「2戦無敗」の絶好舞台
15日、日曜阪神では3着までの馬に桜花賞の優先出走権が与えられる桜花賞トライアル・フィリーズレビュー(G2)が行われる。
G1・2勝馬アルアインの全妹ヒメノカリスの熱発回避で、フェアリーS(G3)で1番人気に推された実力馬アヌラーダプラにより注目が集まるが、快速馬カリオストロ(牝3、栗東・加用正厩舎)も侮れない1頭だ。
父エイシンフラッシュという地味な血統だが、その実力は十分にある。出走馬の中で芝1400mや阪神コースで2勝以上をあげた馬はこの馬のみである。ましてやカリオストロの2勝は阪神芝1400mのフィリーズレビューと同じ舞台となれば、勝利に最も近い位置にいるのはこの馬かもしれない。
特筆すべきはその2勝の内容だろう。昨年9月の未勝利戦では前後半3Fが34秒3-35秒6のハイペースを2番手から楽に抜け出した。2着馬に3馬身半の差をつけるワンサイド勝ちとなった。
圧巻だったのは2勝目をあげた前走の万両賞(2歳・1勝クラス)だ。前後半3Fを34秒1-34秒9で駆け抜け、未勝利の勝ちタイム1分21秒4から1秒も詰める1分20秒4のレコード勝ち。後続が5馬身も離されたのも仕方がなかった。
万両賞の手綱を取った松山弘平騎手も「道中の手応えが良く、最後も突き放すという非常に強い競馬でした」とパートナーの走りに納得の表情を見せた。
2戦無敗の阪神芝1400mは危なげない勝ちっぷりだった。同舞台となるフィリーズレビューに照準を合わせて調整は万全だ。1週前追い切りは、松山騎手を背に栗東・CWで併せて、6F84秒2-1F12秒6で併入した。
カリオストロを管理する加用正調教師も「この舞台は相性がいい。2歳であれだけの時計で走れるのは能力。仕上がりは心配ありません。スピードを生かすためにも良馬場でやりたいですね」と手応えをつかんでいた。
心強いのがリーディング5位につける松山弘平騎手の存在である。これまで年間重賞勝利は2勝が最高だったが、今年ははやくも4勝をあげる大活躍をしている。これは現在C.ルメール騎手と並ぶ最多勝となり、リーディング1位の川田将雅騎手をも上回る好成績だ。
一時は京都牝馬S(G3)をサウンドキアラで勝利し、単独トップに躍り出たが、フェブラリーS(G1)をモズアスコットで制したルメール騎手に並ばれた。フィリーズレビューをカリオストロで勝てば再び単独トップの5勝も見えて来る。松山騎手にとっても力の入るレースとなりそうだ。
また、カリオストロといえば思い浮かぶのはあの名作映画である。盗んでいきたいのは桜の切符だけではない。その先には春の大舞台が待っている。
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