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JRA的場均「絶好調なら絶対に選ばなかった乗り方」淀に咲き、淀に散ったライスシャワー!天皇賞・春(G1)2年ぶり勝利も待ち受けていたのは……

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 同世代には前年のトウカイテイオーに続いて無敗の2冠を達成したミホノブルボンが君臨しており、晩成のステイヤー・ライスシャワーにとっては雲の上の存在に近かった。

 素質の開花を感じられたのは、ミホノブルボンが4馬身差で圧勝した日本ダービー(G1)で、16番人気の低評価ながらも2着に好走したことだろう。このときの馬連は29580円の大万馬券となった。

 秋に京都新聞杯(G2・当時)で再び対決した2頭の馬連は300円と、ダービーから100分の1の配当である。そして、これまで影すら踏めなかった相手との着差は1馬身半まで縮まっていた。ついには誰もが敵わないと考えていたミホノブルボンを菊花賞(G1)で捉えて優勝し、淀の舞台で大輪を咲かせた。

 だが、世間のライスシャワーに対する見方は、冷ややかなものだった。

 3冠を阻止されたミホノブルボンは脚部不安からターフに復帰することなく引退し、古馬となった翌93年の春の天皇賞では、武豊騎手のメジロマックイーンに2馬身半の差をつける完勝で同馬の3連覇を阻止した。

 アイドルホースたちが、歴史的偉業を達成する瞬間の邪魔をしてばかりという印象は、長らくついて回ったからである。

 競走生活の大半を「悪役」として過ごしたライスシャワー。2年ぶりとなる感動の復活からわずか約1ヶ月後、大輪を咲かせた淀の舞台で悲劇の「主役」となったのは、なんという皮肉な運命だっただろうか。

 当時のことを振り返り「競走馬と勝負師が勝ちにいっているのだ。そこには悪役も何もないはずである」と的場均は自著で述懐している。

 レースである以上、勝者と敗者がいるとしても、そもそも最初から悪役など存在していなかったのかもしれない。

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