JRA ダイワスカーレット、ダイワメジャーら馬主大城敬三氏死去 ダイワキャグニー激走の裏にあった「オーナーの後押し」
14日に開催されたエプソムC(G3)は、内田博幸騎手の9番人気ダイワキャグニーが優勝。2着に藤井勘一郎騎手の5番人気ソーグリッタリング、3着に木幡育也騎手の18番人気トーラスジェミニが入り、3連複は73万9440円、3連単は421万9320円の大荒れとなった。
以前からその素質は評価されていたものの、重賞で勝ち星をあげることができなかったダイワキャグニー。ついに手にした殊勲の勝利に、ダイワの冠名でお馴染みの大城敬三オーナーもさぞ喜んだかと思いきや、レース前にこの世を去っていたことが、優勝の翌日にスポーツ各紙で伝えられた。
レースはトーラスジェミニがハナを奪うと1000m通過は59秒1のハイペースを作り上げる。ダイワキャグニーは3番手で進む。不良馬場を猛然と走っていたため、逃げた馬の脚は最後までは保たないと誰もが思っていた。だが残り400mを過ぎてもトーラスジェミニの脚は鈍らない。
『まさか、このまま逃げ切りか』という考えが頭をよぎった視聴者もいただろう。だがその時、進出してきたのが内田騎手のダイワキャグニーだった。残り200mで先頭に立つと、後続を突き放して勝利をもぎ取っている。
昨年のオクトーバーS(L)など、オープンで5勝をあげるも、重賞には届かなったダイワキャグニー。一昨年のエプソムCでは1番人気に支持されながらも14着と大敗。その雪辱を晴らす意味もあった13度目の挑戦で、ついに重賞勝ち馬の称号を手に入れたが、大城オーナーにその一報が届くことはなかった。
「大城オーナーは96歳で死去。2年連続でJRA賞最優秀短距離馬に輝いたダイワメジャー、名牝ウオッカと熾烈な争いを繰り広げたダイワスカーレットなどを所有していることで知られていました。
この大城オーナーが晩年に評価していたのが、内田騎手です。昨年は13回も大城オーナーの所有馬に乗り、5勝をあげるなど活躍。ダイワキャグニーの主戦も務めていました。内田騎手は2019年11月にエージェントの中村剛士氏と契約を解除して、一時的に自身で騎乗馬を管理することになりましたが、その際も騎乗依頼を控えるなどはなかったようです。苦境にあった内田騎手を支えていたひとりだったのは間違いないだけにショックは人一倍でしょうね」(競馬誌ライター)
内田騎手は当日のパドックで、大城オーナーの訃報を知ったそうだ。レース後、「デイリースポーツ」の取材に対し、「オーナーが後押ししてくれたかもしれないね」と口にしたという。
天国にいる大城オーナーに勝利を捧げた内田騎手×ダイワキャグニー。今後は未定だが、秋の目標は天皇賞・秋(G1)、ジャパンC(G1)になるはずだ。今度は亡きオーナーに“G1勝利”という大輪の花を捧げることができるか。
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