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JRAビワハヤヒデ死去 ウイニングチケット、ナリタタイシンら「(新)平成3強」のクラシックは伝説へ

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 21日、93年の菊花賞(G1)に優勝し、同年の年度代表馬、最優秀3歳牡馬に輝いたビワハヤヒデが死去したと有限会社日西牧場のTwitterが明かした。同馬は引退後は種牡馬となり、産駒のサンエムエックスが日経新春杯(G2)2着など入ったものの、重賞勝ち馬を輩出することはできず、05年からは功労馬として余生を過ごしていた。

 ビワハヤヒデは92年にデビューすると、3連勝でデイリー杯3歳S(G2)を制覇。続く朝日杯3歳S(G1)こそ勝ち馬エルウェーウィンからタイム差ナシの2着に終わるも、翌年のクラシックでの活躍を予見させる走りを見せた。

 翌93年の共同通信杯4歳S(G3)を2着に終わると、陣営は鞍上の乗り替わりを決断。次走の若葉S(OP)から岡部幸雄騎手を迎えて完勝すると、意気揚々とクラシックに挑む。

 この年の牡馬クラシックは名伯楽・伊藤雄二調教師が柴田政人騎手に“ダービーを勝たせるために手掛けた”とまで謳われたウイニングチケットとビワハヤヒデの2強だと考えられていた。だが皐月賞(G1)では、その2頭を後方一気で突き抜けたナリタタイシンが勝利。一気に3強の様相を呈することになる。

 日本ダービー(G1)は1番人気ウイニングチケットが3.6倍、2番人気ビワハヤヒデが3.9倍、そしてナリタタイシンが4.0倍の3番人気と、人気を分け合う形となり、3強ダービーと呼ばれた。レースでは中団で運ばれたウイニングチケットが4コーナーで開いたインを鋭く突いて先頭に立つ。内からビワハヤヒデ、外からナリタタイシンの2強が強襲するもウイニングチケットが凌ぎきって優勝。ビワハヤヒデは半馬身差の2着に終わっている。

 2戦連続の惜敗を受けて、陣営はビワハヤヒデに猛特訓を課すことを決意。秋の初戦である神戸新聞杯(G2)では2番手で進むと、最後の直線では岡部騎手がムチを入れることなく、持ったまま快勝。特訓の成果を見せると、菊花賞(G1)に向かった。

 前哨戦を強い内容で勝利したビワハヤヒデはダービー馬ウイニングチケットを抑えて1番人気に支持される。レースでは3番手で運ばれていたビワハヤヒデは、4角で早めの仕掛けを見せて先頭へ。最後の直線でも脚が鈍ることなく、そのまま後続を突き放して勝利。2着に5馬身差をつけて圧勝を飾り、管理する浜田調教師にG1初制覇をプレゼントした。

 暮れの有馬記念(G1)では堂々のファン投票第1位に選出されて出走されたものの、1年ぶりの復帰戦となったトウカイテイオーの激走の前に敗れて2着。だが、実績が考慮されこの年の最優秀3歳牡馬、年度代表馬の2冠に輝いた。

 古馬になってからも、圧倒的1番人気に支持された京都記念(G2)、天皇賞(春)(G1)、宝塚記念(G1)と3連勝を達成。秋もオールカマー(G3)を危なげない走りで勝利すると、続く天皇賞(秋)でもダントツの1番人気に支持された。

 しかしそのレースでアクシデントが発生。いつものように先行するも最後の直線ではいつもの長く伸びる脚を見せることなく、5着に終わる。競走後の検査で左前脚に屈腱炎が発覚。全治1年以上との診断されたこともあり、現役を引退し、種牡馬となった。

 種牡馬入りしたものの目覚ましい成績を残す産駒は輩出できず、03年は交配0に終わると、05年に種牡馬も引退。日西牧場で繋養されていた。穏やかな余生を送っていたが、昨年はたてがみを切られるという痛ましい事件も発生。心無いファンのせいで望まぬ形で注目を集めることになってしまった。

 天国では改めて静かな日々を送ってもらいたい。ご冥福をお祈りいたします。

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