
JRA新種牡馬モーリス「2歳賞金首位」でも成功とはいえない理由……意外な活躍を見せたアノ馬に注目
先週で8月の開催も終わり、2歳戦の種牡馬成績にも傾向に変化が見えつつあるようだ。
今年、大きな注目が集まったのは何といっても新種牡馬のモーリス、ドゥラメンテだった。だが、前評判の高かったモーリス産駒のブエナベントゥーラ、レガトゥス、セブンサミットが揃ってデビュー戦を敗退。ここまで勝ち上がった馬の中でも大物感のある馬が出ていないのが実情だ。
ドゥラメンテにしてもアスコルターレが新馬勝ちをしたとはいえ、期待の大きかったスワーヴエルメが敗れている。ただ、モーリスとの違いは、新馬戦で見どころのある勝ち方をしたダノンシュネラやドゥラヴェルデが出たことだろう。ライバル視されやすい2頭でも、期待感としてはこちらに分がありそうだ。
これらを踏まえつつ、8月までの2歳戦の傾向を振り返ってみたい。以下は2歳戦における成績上位の種牡馬成績である。
種牡馬名、着別度数、勝率、賞金合計
ドゥラメンテ 【9- 7- 5-44/65】 13.8%、9479万
エピファネイア 【8- 6-11-38/63】 12.7%、9333万
モーリス 【7-12- 6-38/63】 11.1%、11293万
キズナ 【7- 8- 7-54/76】 9.2%、9341万
ディープインパクト【6- 8- 5-14/33】 18.2%、7730万
ダイワメジャー 【6- 4- 3-31/44】 13.6%、6127万
ゴールドシップ 【6- 1- 2-21/30】 20.0%、5037万
ドゥラメンテは1勝、モーリスは未勝利と、種牡馬失敗の声すら出ていた6月の成績からすれば大きく巻き返しているといえるだろう。ドゥラメンテは勝利数で1位の9勝、モーリスは勝利数こそ7勝と後れを取ったものの賞金では1位だ。見事な成績を挙げており、一時の危機感はかなり薄れたかもしれない。
だが、やはり見逃せないのは2着の多さだ。上位陣の中でもモーリスの2着12回は群を抜いて多く、人気先行の馬が惜敗したことにも合致している。
また、勝ち数では上回っていても、勝率では他馬に見劣った。モーリス産駒以外の上位馬にもいえることだが、6勝している3頭に対し、約2倍の出走数となっている。中身の濃さという意味では、ディープインパクト、ダイワメジャー、ゴールドシップの方が評価できるかもしれない。
「モーリスの2歳賞金首位がピンと来ない理由は、こういうところだと思います。表面的な数字では成功したかのように見えても、どちらかというと『質より量』で稼いだに過ぎません。
自身も古馬になってから本格化したように、早い時期から使った弊害かもしれませんが、今のところは期待外れのイメージがまだまだ根強いですね」(競馬記者)
PICK UP
Ranking
5:30更新JRA「謎の主取り」ディープインパクト産駒「大盛況」も唯一の敗者……セレクトセール「平均2億円」ディープ特需に埋もれた“13番目の男”とは
JRA“6億円馬”ディナシー「セレクトセール最高落札馬は走らない」負の格言代表的存在が繁殖牝馬セールへ
アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- キタサンブラック産駒を超高価格で落札「謎の購買者」が2年連続で話題に? 昨年の落札馬は「有名オーナー」の名義に
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 「庭先取引」の問題点を一変させたセレクトセール!億超え馬を落札する名物オーナーたちも登場…オープンでフェアな取引に多大な貢献【競馬クロニクル 第63回】
- JRA「6億円」の衝撃から3年、まさかの「名義変更」から2カ月。アドマイヤが“北の大地”で存在感を示す!
- JRAも「G1同日開催」を増やすべき? 香港春競馬「大変革」に日本競馬の進化を求める声も……