『春のG1連戦スペシャル企画』競馬評論家が怪物・メジャーエンブレムの「正体」に迫る!
記者:はい。過去にもホエールキャプチャやヴィルシーナなどが挑戦しましたが、2着が最高です。
永谷:2着に来てるのなら、あまり関係ないんじゃないかな。ジンクスみたいなものだと思うよ。逆に言えば、2歳女王が1kg重い斤量を背負ってクイーンCに出てきて、勝ったケースもあまりないんじゃない?
記者:確かに、ここ最近では思い当たりませんね。
永谷:まあ、強いて言うなら桜花賞までのレース間隔が長いことで不利と目されてるんだろう。けど、メジャーエンブレムのローテはかなり早い段階から決まっていたよ。それに、何といってもこの馬はサンデーレーシングの所有で、ノーザンファームの生産馬だからね。ノーザンファームは最新鋭の外厩施設で、休み明けの仕上がりには定評がある。最近だと中山記念(G2)のドゥラメンテとかがそうだね。
記者:ドゥラメンテは骨折して10カ月の休養明けからの見事な復活劇でしたね。なるほどメジャーエンブレムには「天下のノーザンファーム」という強い味方がいるわけですね。では、質問を変えますが、逃げて快進撃を続けている点や、父がダイワメジャーということでメジャーエンブレムが、早くも『ダイワスカーレット2世』といわれたり、メジャーとスカーレットの「どちらが強いのか」ということが話題になっていますが、どう思われますか。
永谷:ダイワスカーレットは強かったと思うし、ライバルのウオッカと並んで凄い人気だったよね。どちらが強いのかは正直わかりません。現状なら2000m以上ならダイワスカーレットの方が強いと言えるかな。
記者:マイルだったら、どうでしょうか。
永谷:それこそ難しいね。ただ、メジャーエンブレムは間違いなく「オークスよりも桜花賞向き」だと思うよ。あと『ダイワスカーレット2世』ってのは違和感あるなあ……。
記者:と、おっしゃると?
永谷:本質が違うんだよ。ダイワスカーレットも確かに逃げ馬だけど、あの馬は操縦性が高くてスローペースでも逃げられるから。だから逃げてるのに上がり最速を記録したり、有馬記念(G1)を勝ったりもできた。
記者:本質的には、中距離以上の逃げ馬だと?
永谷:そうだね。長い距離を走るにはスタミナだけじゃなくて、ある程度素直な気性も重要。逆に言えば馬は、いくらスタミナがあっても、レースで自分をコントロールできないと長い距離は走れない。そういった意味では現時点でのメジャーエンブレムは、3歳春のミッキーアイルとか、同じダイワメジャー産駒のカレンブラックヒルのタイプだね。
記者:なるほど。どちらも3歳春は圧倒的なスピードで連勝して、NHKマイルC(G1)を逃げ切ってますね。
永谷:どちらも道中の逃げるスピードは凄かったけど、その分最後が甘くなる傾向があったね。メジャーエンブレムも例外じゃないし、ダイワスカーレットとの最大の違いはそこだね。
記者:よくわかりました。では、最後に改めてお聞きしますが、桜花賞はメジャーエンブレムで大丈夫ですか。
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