
JRA古川奈穂はもはや主戦!? 新人女性騎手が「坂井瑠星超え」の快進撃、リーディングひた走る矢作芳人厩舎の卓越した育成手腕
先週、阪神競馬場で開催されたアーリントンC(G3)を制したホウオウアマゾン(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)。管理する矢作芳人調教師は、この勝利で史上55人目、現役では9人目となるJRA通算700勝を達成した。
18日現在、4月半ばで21勝を挙げるなど、2年連続リーディングに向けて順調な滑り出しを見せている矢作芳人厩舎。改めて振り返ると、昨年の矢作厩舎は凄まじい成績を残していた。
53勝を挙げて最多勝利調教師、最多勝金獲得調教師、優秀技術調教師と、自厩舎のコントレイルの三冠制覇に合わせるように、JRA賞三部門を総なめ。
昨年の獲得賞金は、G1レースだけでコントレイルらが稼いだ約7億円、G2・G3で約3億円のほか、合計20億3556万円也。その10%が調教師の取り分といわれているが、計算するのは野暮というもの。
昨年1月から3月までの矢作厩舎の成績を振り返ると、1月は2勝も、2月8勝、3月4勝と、3ヶ月で14勝を挙げていた。一方、今年の矢作厩舎の1月は、6勝の固め打ち。2月2勝、3月8勝で、昨年を超える16勝をマーク。先に記した昨年の53勝に匹敵するペースを守っている。
興味深いのはその内訳だ。昨年の3月までの矢作厩舎の勝ち頭は、5勝を挙げた厩舎所属の坂井瑠星騎手。次いでC.ルメール騎手が2勝、ほか1勝ずつの騎手が並んでいた。
しかし今年はご存知のとおり、坂井騎手は2月中旬から海外へ長期滞在。先週の競馬からJRA復帰を果たしたばかり。実はその間、矢作厩舎の戦力となったのが、3月にデビューしたばかりの新人女性ジョッキー古川奈穂騎手だった。
3月だけで4勝を記録するなど、昨年の坂井騎手を上回る月間成績をマーク。すでに4月も1勝を記録するなど、矢作厩舎の主戦騎手といっても過言ではない活躍をみせている。
さらにデータを探ると、古川奈騎手の実力を発見することができた。
4月11日までの記録を振り返ると、前出の坂井騎手は矢作厩舎の管理馬で22レースに参戦。なんと1勝しか挙げることができず、2着0回、3着7回と残念な結果。勝率と連対率は4.5%、複勝率36.4%という成績が残っている。
一方の弟弟子ならぬ妹(?)弟子の古川奈騎手の成績をみると、偶然にも同じ22レースに騎乗。5勝のほか、2着0回、3着1回という好結果を残した。勝率と連対率は22.7%と、兄弟子の坂井騎手に大きな差をつけていたのだ。
古川奈騎手は矢作厩舎の戦力となるべく成長中であり、厩舎としても「育てながら勝つ」育成方法を実践していることが分かるデータでもある。
さらに今年の矢作厩舎について特筆すべきは、「人気を裏切らない」点だ。
PICK UP
Ranking
23:30更新巷に出回る川田将雅「長距離苦手説」をデータで検証、阪神大賞典(G2)で気になる「13年未勝利」の課題…リーディングジョッキーの意外な過去
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- 武豊の次に「上手い」のはアキヤマ!?「世界No.1」のR.ムーア騎手が「上手な日本人騎手」として武豊騎手の次に挙げた”意外”な名前
- JRA池添謙一「2度結婚」「DV不倫」よりも紆余曲折の騎手人生。オルフェーヴル三冠→外国人で凱旋門賞、勝負強さは当代随一だが……
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客