GJ > 競馬ニュース > マカヒキ、リオン、エアS考察  > 3ページ目
NEW

【徹底考察】皐月賞(G1)マカヒキ&リオンディーズ&エアスピネル 「今年の弥生賞のレベルを示す『とてもわかりやすいデータ』とは」

【この記事のキーワード】, ,

結論

マカヒキ
 弥生賞で見せた上がり3ハロン33.6秒の豪脚は、上がり2位のリオンディーズ、エアスピネルよりも0.8秒も速く、まさに父ディープインパクトを彷彿とさせるものだった。また、現時点でも500㎏前後と、父の産駒としては馬格がある点が、中山の急坂にも難なく対応できたポイントだろう。
追い切りなどで関係者が「見た目以上に時計が出る」と口をそろえているのは、本馬の高いポテンシャルを示しながらも、それ以上に父と同じく一完歩が大きいためだ。武豊の言葉を借りるなら、まさに「飛んでいる」ということなのだろう。

 ただし、飛びが大きく雄大な走りをする馬ほどスピードに乗った時は速いが、道中で不利があったり、急な進路変更を余儀なくされた場合の立て直しが利きにくい。そういった意味では、器用さの要求される中山コースは決してベストとは言えない。父が国内で唯一の敗戦を喫したのは中山の有馬記念(G1)。三冠達成で最も苦戦したのも中山の皐月賞だった。そして、ディープインパクト産駒は皐月賞を勝ったことがない。
 つまり、何かと偉大なる父と比較されている本馬だが、逆に「父に似ている」ということが、この舞台では最大のネックになる恐れがあるということだ。多頭数の競馬も初めてで、先週の桜花賞の騎乗を見る限り、上手く捌けるのか鞍上の川田将雅騎手の手腕にも不安が残る。

リオンディーズ
 弥生賞では勝ち馬の末脚に屈したが、新馬戦のように好位から競馬ができたという面では収穫があった。敗因は折り合いをやや欠いたことと言われているが、そうなってしまったのも外枠のスタートから縦長の展開になって、前に馬を置けなかったからだろう。ただ、それでも僅かに力んでいただけで、鞍上のM・デムーロ騎手が行きたがる相棒を上手く抑え込んでいた。本番でもマカヒキより前で競馬するため、大崩れもなさそうだ。

 しかし、逆に言えば敗因が小さかった分、負けた意味が大きくなる。マカヒキとの差は、休み明けで完調ではなかった状態面ということになるが、弥生賞の時点でも1カ月前には帰厩しており、そこまで余裕のある仕上がりだったわけではないはずだ。厳密に述べれば、やや折り合いを欠いたことも含め「レースへの感覚的な問題」が最も大きな敗因であるように思える。無論、敗れたとはいえ着差はクビ差。本番での逆転は十分に期待できる。この馬の母シーザリオ、兄エピファネイアと共にクラシック1冠目で2着に敗れているが、本馬が”血のリベンジ”を果たせるか見ものだ。

・エアスピネル
 朝日杯FS(G1)ではリオンディーズに完敗を喫し、続く弥生賞ではリオンディーズだけでなくマカヒキにも完敗。レース後の武豊の「不思議な感覚です。良いレースができて、馬自身は最後までしっかり走っています。普通なら勝てるレベルの内容で3着でした。今年の馬たちは強いです」というコメントが、この馬が今置かれている状況を集約している。

 特に対リオンディーズに関しては、朝日杯FSで前に行って交わされ、弥生賞では後ろからマークして追いつけなかった。常識的に考えて、逆転は「かなり難しい」といえるだろう。しかし、かなり難しいというだけで決して逆転の芽が完全に消えたというわけではない。もっと言えばクラシック三冠の内、エアスピネルの逆転があるとすれば、おそらくこの皐月賞を置いて他にないだろう。サトノダイヤモンドも加えた「三強」と比較して本馬が勝っている点は操縦性だ。そして、その器用さは紛れが多い小回りの中山コースでこそ活きるはず。フルゲート18頭の戦いになるのも、この馬にとって有利に働く可能性が高い。まだ見限るには早計だ。
(監修=下田 照雄(栗東担当))

【徹底考察】皐月賞(G1)マカヒキ&リオンディーズ&エアスピネル 「今年の弥生賞のレベルを示す『とてもわかりやすいデータ』とは」のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

11:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. C.ルメールが「過怠金」横山典弘が「騎乗停止」に賛否両論!? 覚悟の突撃と不可抗力…JRAの一貫した判断とは
  2. 【日本ダービー】「力があるね」「大したもん」田原成貴氏&安藤勝己氏も高評価!打倒ジャスティンミラノに「最大の惑星」が名乗り
  3. “リバティアイランドは怪我で回避”最強牝馬不在が意味するもの。ヴィクトリアマイルで社台グループの深すぎる内部事情!
  4. 25年ぶりのJRA最多勝記録更新も視野!? 川田将雅に匹敵する3着以内率62.2%…今「最も信頼できる騎手」森一馬が凄い!
  5. 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 【NHKマイルC】アスコリピチェーノ主戦を背に追い切りも【日本ダービー】武豊がキタサンブラック弟と挑む最多7勝目【週末GJ人気記事ぶった斬り!】
  6. J.モレイラ、日本ダービー「本命」はレガレイラを破った4.5億円ホース!? 皐月賞2着コスモキュランダ乗り替わり発表から、鮮やかな優駿切符ゲット!
  7. クロノジェネシス元主戦が「油断騎乗疑惑」で騎乗停止処分!ノーステッキ楽勝ムードからまさかの敗戦…「後味の悪さ」残る結果もキズナ産駒の素質馬がデビュー勝ち
  8. JRA「理由なき」単勝115.9倍の皐月賞(G1)勝利に呆然……ナリタブライアンのレコードを塗り替えたのは、約110億円分を一瞬で「紙クズ」にしたお騒がせホース
  9. テーオーロイヤル、ドゥレッツァの骨折も無関係ではない!? タイムトライアルのような京都の高速馬場…宝塚記念前の「怪時計連発」に懸念の声
  10. 「素行不良」で干された若手の更生に関西の大御所が名乗り! 福永祐一を担当した大物エージェントもバックアップ…関係者から「優遇され過ぎ」の声