
JRA昭和の競馬ファンが知る「残念ダービー」は“残念”ではない!? 実は“出世レース”のラジオNIKKEI賞(G3)で注目すべきは勝ち馬より2着馬?
今週末から、ようやく2021年の福島開催がスタートする。当初は4月10日から、例年通り“春の福島開催”が開幕する予定も、2月13日に起きた福島県沖地震の影響で中止。新潟競馬場で代替開催が行われた。
地震の影響で馬場の路盤も被害を受けたという福島競馬場だが、復旧工事は無事完了。例年とは異なる、特別な第1回福島開催の開幕週を飾る重賞レースが、7月4日に行われる第70回ラジオNIKKEI賞(G3)だ。
今年で第70回を迎えたのは、正月の名物レースとして有名な中山金杯(G3)や、春のクラシック路線の重要な前哨戦のスプリングS(G2)がある。つまりラジオNIKKEI賞は、それらと肩を並べる歴史を有した伝統あるレースでもある。
第1回は1952年に創設された「中山4歳ステークス」を前身とするラジオNIKKEI賞。当時は中山競馬場で開催され、皐月賞(G1)のステップレースだったというから驚きだ。
その後は施行時期や開催場所も変わり、競走名も変更。1961年から1978年までは日本短波賞、1979年から2005年までラジオたんぱ賞とよばれ、現在のラジオNIKKEI賞に定着したのは2006年からだ。
こうした変遷を経ながら、実に70年の歴史を誇る、由緒正しいはずのラジオNIKKEI賞は、過去には「残念ダービー」と呼ばれていたことをご存知だろうか。
東京競馬場で開催される、競馬の祭典・日本ダービー(G1)に対して、福島競馬場で開催される“残念”なダービーとは、これいかに。福島の競馬民からは、怒りの声があがりそうな「残念ダービー」。しかし昭和の競馬を知るオールドファンなら、一度は耳にしたことがあるはずだ。
なぜ、「残念ダービー」と呼ばれていたのか。
1954(昭和29)年から、春のクラシックシーズン終了後にあたる6月下旬〜7月上旬に施行されていたこのレース。実は1955年から1967年まで、同レースの出走資格には「東京優駿(ダービー)の優勝馬を除く」と記されていたという。
つまり、ダービー馬は出走することができず、出走メンバーはダービーで敗れた馬たちばかり。当時のクラシックロードの「敗者復活戦」として認識されていたことから、ダービーで敗れてしまった“残念”な馬たちによるレースという呼称がついた説が有力だ。
さらに現在はクラシック路線に当たり前のように出走している外国産馬も、クラシック出走権を与えられなかった時代もあった。
つまりダービーが終わった後、クラシック出走権を持たない馬が出走するレースとして「残念ダービー」の名が定着することになったという背景もある。
PICK UP
Ranking
5:30更新「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
宝塚記念(G1)団野大成「謎降板」に関西若手のエースが関係!? 武豊の不可解な登場と突然のフリー発表…関係者を激怒させた「素行不良」の舞台裏
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 未勝利ルーキーが「深刻理由」で乗鞍激減!?度重なる失態に師匠からはお灸、エージェントも契約解除の大ピンチ
- JRA「出禁」になったO.ペリエ「税金未払い」騒動!? L.デットーリ「コカイン使用」K.デザーモ「アルコール依存症」過去の”外国人騎手トラブル”に呆然……
- 【阪神C(G2)展望】武豊“マジック”でナムラクレア、ママコチャを破った重賞馬が待望の復帰戦! 短距離界の有馬記念に豪華メンバーが集結
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- 天才の息子・福永祐一は何故「天才」と呼ばれないのか? 「漁夫の利」に集約されたシュヴァルグランでの「決意」に落胆
関連記事
JRA岩田康誠ついに「干され」始めた!? ラジオNIKKEI賞(G3)で「重賞100勝&全10場重賞制覇」にWリーチで出るか“挑発”ガッツポーズ
JRA “最有望株”嶋田純次は「崖っぷち」!? 競馬学校“不運”の27期生が続々ブレークも…… ラジオNIKKEI賞(G3)アサマノイタズラで「重賞初V」なるか
JRA【ラジオNIKKEI賞(G3)展望】皐月賞(G1)「最下位」の雪辱狙うアサマノイタズラVS NHKマイルC(G1)4着リッケンバッカー!
CBC賞(G3)ヨカヨカに続け! 2021年九州産馬の注目馬6頭
JRA「3歳賞金ベスト100」から見る名門厩舎の明暗! ドゥラメンテ&モーリスの堀厩舎がまさかの「全滅」……二冠・手塚厩舎&ソダシ須貝厩舎が大躍進! 2歳王者グレナディアガーズ中内田厩舎の意外な事実