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JRA ダートで「低迷」していた馬がまさかのサクセスストーリー!? 究極スプリンターの結晶「カナロア×バクシンオー」が続々スプリンターズS(G1)の有力候補に

 17年7月のデビューから6連敗中だったキルロードが初勝利を挙げたのは、ダートに転戦した18年4月の未勝利戦。初勝利を手にし、新天地での活躍を期待されたものの、その後は7戦して全敗と低迷した。4歳夏を迎えた19年6月に陣営は去勢を決断する。

 再び芝に戻ったキルロードは昨年3月、キャリア初のスプリント戦で連勝を飾った。そこから前述の3連敗からの3連勝となる訳だが、芝1200m条件で見違えるような活躍をしたことは、同馬の血統を考えると当然だったのかもしれない。

 父は短距離G1・6勝を挙げたロードカナロア、母の父は稀代のスプリンターのサクラバクシンオー。日本競馬が誇るスプリンターの結晶ともいえる血が、キルロードの活躍を後押している。

 そして、この血統の活躍がキルロードだけではないことも見逃せない。

 実は2週前に小倉競馬場で開催されたCBC賞(G3)を8番人気で制したファストフォースもまた父ロードカナロア×母父サクラバクシンオーという血統構成。芝1200mレコードを更新した1分6秒0の勝ちタイムには驚かされても、血統的には当然にも感じられることが2頭の共通点である。

 これまでノーマークにも近かった2頭の覚醒は、秋の飛躍を期待せずにはいられない。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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