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JRAまるで関西の「草刈り場」となった新潟の惨状!? 馬だけでなく騎手の意識にも大きな隔たり、人が育たないといわれる関東の “ぬるま湯”体質の弊害

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撮影:Ruriko.I

 東京五輪による変則開催のため、3週間に渡る夏休みが終わった小倉開催。再開までの間、新潟と函館の2場開催となっていたが、改めて「西高東低」の現状が浮き彫りとなる結果に終わった。

 例年なら小倉に関西の人馬が分散するため、ある程度の「棲み分け」もあるのだが、2択となったことでさらに拍車が掛かったようだ。

 案の定というべきか、新潟競馬では関西馬や関西所属の騎手の独壇場だった。

 関東主場の新潟にもかかわらず、先週土曜は朝から福永祐一―清水久詞、川田将雅―矢作芳人、松山弘平―松下武士、藤懸貴志―高野友和といった関西の騎手と調教師のコンビが4連勝。5Rになってようやく関東所属の宮田敬介厩舎が勝利したとはいえ、鞍上は川田騎手。現在の「西高東低」を物語っている現状だ。

 馬のレベルは以前より差が詰まっている印象もなくはないのだが、東西騎手の格差には相変わらず大きな開きがある。

「例えばリーディングブリーダーのノーザンファームは、勝負事にシビアなことで有名です。勝率を上げる為に関東馬でも、福永や川田、松山などのトップ級に依頼する傾向が強いです。

関東は1、2年活躍すると極端な話、ある程度の安定した騎手生活を送れます。具体例の騎手を挙げれば田辺とか大野、三浦や石橋などは大舞台での活躍は乏しくても年間で50勝前後はします。そうなると、どうしても危機感が薄れるなんてことも出てきます」(競馬記者)

 中には「3歳牝馬はこの時期52キロで体を絞るのが大変だから乗らない」なんてことを言う騎手もいたくらいだから、一部で“ぬるま湯”ではないかと揶揄する声が出たのも仕方がないだろう。

 対する関西は、結果を出し続けなければ一瞬活躍しても2、3年も経てば騎乗数が激減するケースも多々。期待の大きい馬などはしっかり体を絞って乗り、易々とライバルに有力馬が回らないようにしている騎手の数も多い。

「こういった環境の差が、リーディング上位を関西所属の騎手が独占している背景にもあるのでしょう。実際、岩田望来や鮫島克駿のような若手騎手も、関東所属なら安泰かもしれませんが、関西は勢いのある若手がどんどん出て来るだけに、彼らにしてもここからもう1段上に行けないようだと何年後かは分かりませんよ」(同記者)

 実際、先週の新潟開催で行われた2日間、24レース中の勝利数内訳は関西馬17勝に対し関東馬7勝。これが東西の所属騎手だと関西20勝に対し、関東はわずか4勝と圧倒的な大差がついてしまっていることでも分かる。

 関西馬が強かったとしても、関東の騎手が評価されているなら依頼数は逆になってもおかしくないだけに、馬以上に騎手の西高東低も深刻化しつつあるという記者の見解も的を射ているといえるのかもしれない。

 数年前は、内田博幸騎手や戸崎圭太騎手が全国リーディングに輝いたこともあったが、近年はC.ルメール騎手の1強状態。2番手3番手にも川田騎手や福永騎手が続いているように、上位には関西所属の騎手ばかリ。

 東西の風土の違いもあるとはいえ、関西の騎手の“草刈り場”となってしまった感のある新潟開催は、関東の騎手にとって今後も大きな課題となりそうだ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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