JRAソダシやラヴズオンリーユーも一歩間違えれば大惨事!? 注目2頭の「予期せぬ」アクシデントにファンも悲鳴
22日、札幌競馬場で行われた札幌記念(G2)は、今年も熱戦が繰り広げられた。G1昇格待望論も出るほどハイレベルな中距離重賞に、G1馬4頭が参戦。今夏一番の盛り上がりを見せた。
参戦を噂されたカフェファラオの出走こそなかったが、白毛のアイドル・ソダシVSラヴズオンリーユーの二強対決には大きな注目が集まった。
勝利を飾ったのは、2番人気に支持された3歳牝馬ソダシ。桜花賞(G1)の芝1600mから芝2400mに距離が延びたオークス(G1)で8着に完敗。距離の不安も囁かれたが、札幌・芝2000mは、昨年制した札幌2歳S(G3)の芝1800mとわずか1Fの違い。デビューから連勝を飾った北の大地で巻き返しに成功した。
終わってみれば1着ソダシ、2着ラヴズオンリーユーの二強決着。ブラストワンピースは5着に敗れたものの、もう1頭のG1馬ペルシアンナイトが3着に食い込んだ。7歳という年齢が嫌われたのか、8番人気と軽視されたとはいえ、昨年に続いて健闘と言える3着。実力馬が力を発揮した見応えのあるレースだったといえるだろう。
そんな好勝負が演じられた一方で、2頭に大きなアクシデントが発生したことは残念でならない。
不運にも当事者となったのは、6番人気のステイフーリッシュと13番人気のバイオスパーク。いずれも穴党から密かに一発の期待を寄せられていた馬である。
最内枠を活かして内目の好位3番手で追走していたステイフーリッシュ。道中も理想的な展開に思われたが、3コーナー手前で突然ズルズルと後退してしまう。レース後、JRAから「競走中に心房細動を発症したため最後の直線コースで競走中止」したと発表されている。
そしてもう1頭の5枠6番バイオスパークは、ゲートが開いてすぐに大きく外へと逸走。1コーナーを回ることなくレースを終えた。こちらもJRAの発表によると、「発走時、手綱の一部が口に絡まり、制御できなくなったため、1コーナー手前で競走中止」とされている。
過去10年で最多4勝の1枠1番を引いていたステイフーリッシュ。内枠有利といわれるレースだけに、期待したファンも多かったに違いない。バイオスパークにしても、前走の函館記念(G3)で外を回される不利がありながらもしぶとく3着。手の合う池添謙一騎手が継続して騎乗することもあり、穴党から密かに注目されていた馬だった。
2頭とも命に別状がなかったことは不幸中の幸いだが、アクシデントによる競走中止は、何とも後味の悪い結果である。
白熱した熱戦の裏で、一歩間違えればソダシやラヴズオンリーユーにも同様の事象が発生していたかもしれないことは、今後も忘れないようにしたい。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
PICK UP
Ranking
5:30更新- リバティアイランド、ドゥレッツァ「戦線離脱」に思うドゥラメンテの儚さ。そして思い出されるアグネスタキオンとの共通点
- 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
- 【京都新聞杯(G2)予想】穴馬ジューンテイクに浮上の余地あり! 抜けた馬がいない混戦模様、狙いは重賞好走歴のある人気薄
- 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 【NHKマイルC】アスコリピチェーノ主戦を背に追い切りも【日本ダービー】武豊がキタサンブラック弟と挑む最多7勝目【週末GJ人気記事ぶった斬り!】
- 【NHKマイルC(G1)予想】ジャンタルマンタルは皐月賞の反動があるとみて消し! 出走唯一の連勝馬に着目
- 【NHKマイルC】100万馬券の使者はロジリオンとシュトラウス!? 過去に飛び出した100万馬券から超穴馬を読み解く!
- 【NHKマイルC】大注目の15番マスクオールウィンに「8年連続連対中」の追い風!?「令和のNHKマイルCの法則」とは
- 【NHKマイルC】世代わずか「6頭」も驚異の高打率! ジャンタルマンタル、ノーブルロジャーの父に「第2のスワーヴリチャード」の期待
- 【NHKマイルC】先週に引き続き単勝でいざ勝負!C.ルメール騎手の体調が心配だけど平野ももは信じているよ!【UMAJOモモのオイシイ競馬】
- 【NHKマイルC】17番人気ピンクカメオの激走!伝説の973万馬券はこうして飛び出した。今年はジャンタルマンタルとアスコリピチェーノに不安話で急浮上の穴馬!
関連記事
JRA福永祐一に待ち受けていた「皮肉」な結果!? ゲート互角なら勝てたと悔やむも……、1番人気ジャンダルムに騎乗した男を襲った3つの誤算
元JRA安藤勝己氏「オークスは乗り方と展開だった」川田将雅の“鬼騎乗”をチクリ!? 札幌記念(G2)快勝で、秋華賞へ視界良好のソダシが「最後」に警戒するもの
「競馬アニメ」PV解禁に話題騒然!? JRAが昨年公開した「あのムービー」が本命!? 大ヒット『ウマ娘』の対抗馬となるか
JRA武豊マイシンフォニー「ポツン騎乗」にまさかの屈辱! ゴール寸前で初勝利がスルリ、決めたのは横山典弘もビックリの相手
JRA「競った相手は強い」横山兄弟が266.1mのガチ叩き合い!? 横山武史VS横山和生……“楽逃げ潰し”から意地の張り合いはゴールまで譲らず