JRAデータと関係者情報から「あの」良血馬は余裕で切り。セントライト記念(G2)で買える穴馬はこの馬だ!
今回は菊花賞トライアルのひとつ、セントライト記念(G2)を予想していく。
菊花賞トライアルと銘打たれ、3着までには菊花賞の優先出走権が与えられるレースではあるが、近年菊花賞とのつながりが薄いレースでもある。実際、過去10年でここを使って菊花賞へ出走した馬のうち、本番で馬券になったのはわずか5頭。さらに菊花賞を制した馬となるとキタサンブラックのみ。
とは言え、菊花賞を見据えてのレースであることには違いない。今年も菊花賞の切符を狙う上がり馬と、秋初戦として使う春の実績馬が顔を揃えている。
過去10年のデータを見てみよう。
3着内に入った馬のうち、前走が日本ダービー(G1)だった馬が18頭。2011年と2014年にいたっては前走ダービー組がワンツースリーを決めている。次いで前走ラジオNIKKEI賞(G3)組が3頭。昨年の勝ち馬バビットも同組である。ダービートライアルの青葉賞(G2)組が1頭。
重賞以外だとプリンシパルS組が1頭、2勝クラスが4頭、1勝クラスが3頭となっている。夏の上がり馬が善戦しているイメージがあるが、想像以上に春の実績馬に分があることがわかる。
次に人気別のデータだが
1番人気 4-3-1-2
2番人気 1-2-1-6
3番人気 1-1-3-5
4~6番人気 4-1-3-22
となっている。7番人気以下の馬も馬券に絡んではいるが、0-3-2-89と2着までしかなく、確率的にも低いと判断できよう。1番人気は信用でき、レースとしては堅く決まるかヒモ荒れするか、という様相だ。
これらを踏まえて「◎」としたいのが7番タイトルホルダー。
単勝1番人気な上に、場合によっては1倍台もあり得る人気中の人気馬ではあるが、実績も人気通りに出走馬中ではトップと言える。
陣営も「皐月賞のようなレースの方がいい」とコメントしているように、ダービーの敗戦は展開が向かなかっただけで、6着ながらも0.6秒差に粘っている。2ハロンの短縮と得意な中山コースでのレースでは負けられない1戦となるだろう。
2番手「○」は5番ノースブリッジ。
前走ラジオNIKKEI賞では、後ろから来たヴァイスメテオールに差されたものの、0.6秒差の3着に粘った。前々走の青葉賞こそ逃げつぶれているが、2000m戦だったデビュー戦と2戦目は逃げ切っているので、青葉賞は距離が長かったとも言える。
今回は同型馬が多い上に、陣営も距離適性について母系のスピード面が出てきているのが不安要素としているが、何が何でものハナを主張すればうってつけの展開になるのは十分あり得る。距離についても直線の長い東京からトリッキーな中山に変わることで、前走から2ハロンの延長もこなせると判断した。
青葉賞の大敗を除くと2勝3着1回と実績も十分で、むしろ実績の割に人気がないのは狙い目になる。
3番手「▲」は13番グラディアス。
ダービーでは◎のタイトルホルダーと差のない8着で、こちらは皐月賞でも6着に敗れているが、まがりなりにも京成杯(G3)を勝っている重賞勝ち馬。実績自体はこのメンバーでは見劣りするものではない。
陣営からも「中間の放牧で一段と成長している」とし、「中山の方がいい」とコメントしているように、本馬も直線勝負になる競馬は避けたいタイプ。位置取りには融通が利くので、先行馬が多い今回のメンバーでも上手く立ち回ることができるのではないだろうか。
4番手以下は3番ヴィクティファルス、8番レッドヴェロシティ、12番ソーヴァリアントの3頭。
ヴィクティファルスもスプリングS(G2)を勝っている重賞勝ち馬なだけでなく、エフフォーリアに完敗はしているが共同通信杯(G3)でも2着に入っているなど実績上位。陣営からも状態の良さが伝わってきている。
レッドヴェロシティは前走2着に敗れているが、青葉賞3着の実績と今回と同じ舞台で1勝している実績を買ってみた。
ソーヴァリアントは、この夏連勝してここに駒を進めてきた上がり馬。弥生賞でタイトルホルダーに完敗しているが、それでも4着と実力の一端は見せている。ここ2戦の着差を考えても本格化してきているのは明白で、押さえておきたい1頭だ。
人気どころでいくと、2番人気のオーソクレース、4番人気のルペルカーリアは切り。どちらもローテーションが本レースの好走パターンに当てはまらないことと、実績以上に評価が高すぎるのが気にかかる。良血馬でそれなりに走っているので、評価が上がっているところはあるのだろうが、往々にしてそういう馬が案外なことは珍しくない。
最後に買い目だが、3番・5番・8番・12番・13番の5頭で、3連複BOXとする。
(文=トーラス神田)
<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。
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