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JRA 武豊「前が壁」米三冠挑戦娘とタッグも、持ったまま馬券圏外へ……産駒初勝利が期待される中で不完全燃焼

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 25日、中京4Rの牝馬限定・2歳新馬戦(ダート1400m)は、岩田望来騎手の7番人気アファンが、豪快な追い込みを決めて勝利。2着には5番人気のトーアレインボーが入り、1番人気ルージュシェノンは10着と大きく敗れる波乱の結果となった。

 そんな中、最後の直線でまさかの“ドン詰まり”をしてしまったのが、4番人気のラニカイ(牝2歳・栗東・松永幹夫厩舎)と武豊騎手だ。

 13頭で行われた一戦。1枠1番からスタートした武豊騎手とラニカイは、すぐに行き脚がつくと、3番手インの絶好位をキープ。600m通過36秒2の流れを抜群の行きっぷりで追走すると、4コーナーもロスなく内を回って直線を迎えた。

 しかし、最内の経済コースは距離的なアドバンテージを得る見返りとして、リスクを伴うもの……。

 最後の直線に向くと、前には逃げるマルノアンナ、右隣には2番手を追走していたスリックがおり、左は内ラチで行き場のない状況に。スリックが脚を無くして後退したところで、今度は外からトーアレインボーに来られて進路を塞がれてしまう。前では逃げるマルノアンナが頑張っている。ラニカイは完全にインで詰まった格好だ。

 すでに勝負どころを迎えているというのに、脚の使いどころを失った武豊騎手は手綱を持ったまま……。外からは勝ったアファンが豪快に伸びてくる。連れて3着に入るコパノフランシスも伸びてきたところで、ようやく外に持ち出すことに成功したが、時すでに遅し。抜群の手応えで直線を迎えたラニカイだったが、4着でゴールした。

「ラニカイにとっては残念な競馬になってしまいました。直線では完全に前が壁となってしまい、脚を余したかたちでの敗戦。結果的には最内枠がアダとなってしまいましたね。

それでも4着までは来ているように、直線はスムーズであれば馬券圏内はもちろんのこと、勝ち負けまであったかもしれません。馬券を買っていた人にとっても悔しい結果となりましたね」(競馬誌ライター)

 ラニカイは、かつて武豊騎手とのコンビで2016年のUAEダービー(G2)を制覇、その年のアメリカ三冠にも挑戦したラニの初年度産駒。JRAでは先週の時点で8頭がデビューしているものの未勝利。人気も6番人気が最高だった。

 今回、4番人気に支持された同馬に産駒初勝利を期待したファンも多かったようだが、力を出しきれずに敗戦。SNSやネットの掲示板には、「これはやっちまった」「まともなら勝てたのでは」「武さんやらかしたな」など、やや辛辣なコメントが多く続いている。

 なお、武豊騎手は1Rの未勝利戦でも単勝オッズ1.5倍のデュガでまさかの5着。野路菊S(OP)のロンで鬱憤を晴らしたものの、この日の午前中は散々だったようだ。

 来月3日には9度目の凱旋門賞(仏G1)挑戦が控えている武豊騎手。世界最高峰の舞台では完全燃焼の騎乗を期待したい。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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