
JRA 父・岩田康誠「強引奇襲」で息子・岩田望来の1番人気が!? 「いい競馬でしたけどね……」親子ワンツーチャンスもすれ違いの潰し合い
25日、中京競馬場で2R・2歳未勝利戦が行われ5番人気のオディロン(牡2歳、栗東・浜田多実雄厩舎)が勝利。父のキタサンブラックへJRAダート初勝利をもたらした。
キタサンブラック・オディロンの親子が最高の結果を残した一方で、不本意な結果に終わってしまったのが岩田康誠騎手・望来騎手の親子だろう。
岩田望騎手は1番人気のダノンフューチャー(牡2歳、栗東・寺島良厩舎)、岩田康騎手は3番人気のグレッチャー(牡2歳、栗東・安田隆行厩舎)にそれぞれ騎乗したこのレース。
ダノンフューチャーは半兄がセレクトセールにて約2億6000万円で落札された良血馬。グレッチャーは半兄にダート戦オープン2勝のアングライフェンがいる。恵まれた血統背景をもつ2頭で人気もあるため「岩田親子決着」を予想したファンも多かったに違いない。
また、岩田望騎手は初めて親子ワンツーフィニッシュを園田競馬場で決めた際に「今後は中央でも園田でもワンツーで、ボクが1着取れるように頑張ります」と、意気込んでいた。それだけに、今回も願わくば父とワンツーかつ自分が勝利を思い描いていたはずだ。
スタートは対照的だった。岩田望騎手のダノンフューチャーは好スタートを切ったことに対して、岩田康騎手のグレッチャーは出負けし後方からの追走を余儀なくされた。
無理なく好位の3番手を確保したダノンフューチャー。前半3ハロン38秒2と位置的には絶好のスローペースで流れた。しかし、向こう正面に入ったところでレースの流れが一転する。
グレッチャーが後方2番手から先頭まで進出したのだ。グレッチャーは前走も捲って4着だったが、その時は3コーナーから4コーナーにかけてだ。前走とは異なるタイミングで捲る「奇襲」には、多くのファンが驚いたはずだ。
これで前半3ハロン目が13秒3だったラップが、4ハロン目で一気に12秒2へ加速。5ハロン目も12秒と緩みなくペースが流れて、一気にタイトなレースへ変貌した。
この結果、直線半ばでグレッチャーら逃げ・番手の馬が失速。それを見計らって岩田望騎手のダノンフューチャーが内から抜け出て単独先頭へ。そのまま押し切る態勢に入った。
ところが大外からオディロンが一気に脚を伸ばして、ゴール前は競り合う格好に。その結果、惜しくもダノンフューチャーはハナ差2着に敗れた。
勝ったオディロンとはハナ差の接戦だっただけにレース後、岩田望騎手は「いい競馬でしたけどね……」と、唇を噛んだ。一方の岩田康騎手のグレッチャーは強引な奇襲が祟ったか、最後は失速して6着に惨敗。結果的には父のせいでペースが急激に上がった分、最後の最後でわずかに差されて敗れたようにも見える。
息子の岩田望騎手は、ロードカナロアなどの名馬に騎乗しトップジョッキーとして活躍する父・岩田康騎手の背中を見て育ち、騎手を志した。2人は現在共に栗東に所属しており、毎週多くの依頼を受けて騎乗している。そのため、親子揃って同じレースで騎乗することは珍しくない。
取材などでは優しい“父”になっている岩田康騎手だが、今回のレースでは「親子だからといって楽はさせない」厳しい“勝負師”の顔を垣間見た。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
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