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JRA 川田将雅「息がしんどかった」単勝1.5倍クリソベリル惨敗の原因は、前ダート王も苦しんだ不治の病? それでも鞍上が前向きな理由

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JRA 川田将雅「息がしんどかった」単勝1.5倍クリソベリル惨敗の原因は、前ダート王も苦しんだ不治の病? それでも鞍上が前向きな理由の画像1
クリソベリル JBISサーチより

 29日、船橋競馬場で日本テレビ盃(G2)が行われ、矢野貴之騎手のサルサディオーネ(牝7歳、大井・堀千亜樹厩舎)が優勝。2010年フリオーソ以来10年ぶりの地方馬による制覇と交流重賞へ昇格以来初の牝馬による制覇を成し遂げた。

 一方、このレースで単勝オッズ1.5倍と圧倒的な支持を受けながら着外に敗れたのが、川田将雅騎手のクリソベリル(牡5歳、栗東・音無秀孝厩舎)だ。

 JRA馬4頭、地方馬7頭の計11頭で争われたダート1800m戦。2枠2番から好スタートを切ったクリソベリルは、外から果敢にハナへ立ったサルサディオーネをマークする2番手の位置でレースを進める。

 道中で隊列が大きく変わることなく直線へ。逃げ切りを図るサルサディオーネを捉えようと川田騎手が懸命に追って差を詰めようとするが、中々差は詰まらず。逆に残り200m付近でダノンファラオら後続馬に交わされてしまい、6着に敗れた。

 クリソベリルと言えば、昨年12月のチャンピオンズC(G1)で4着に敗れるまで国内では8戦8勝。まさに「ダート王者」と呼ぶに相応しい成績だった。

 そんな王者を苦しめたのが、右後肢の輪状靭帯損傷だ。靭帯の損傷は屈腱炎とならび競走馬にとって致命的な故障とされている。メジロマックイーンやエピファネイアなどの名馬も靭帯を傷めたことを理由に、現役を退いている。

 また、仮に休養を挟み復帰したとしても厳しい現実が待っている可能性が高い。その代表例として挙げられるのが、クリソベリルと同じくダートで活躍したルヴァンスレーヴだ。クリソベリルの1歳年上で、クリソベリルが出る前の「ダート王」として知られている。

 17年8月にデビューしたルヴァンスレーヴは、18年チャンピオンズCを3歳で勝利。同レースまで8戦7勝2着1回、G1を計4勝と抜群の成績を残した。しかし、チャンピオンズC後に繋靭帯炎が判明した。

 約1年半の休養を経て20年かしわ記念(G1)で復帰を果たすも、直線早々に後方から押し寄せた馬に抜かれて5着。続いて挑んだ帝王賞(G1)では、馬体を絞って臨んだが直線で伸び切れず10着。このレースを最後にルヴァンスレーヴは、ターフを去ることになった。

 ルヴァンスレーヴとクリソベリルは、故障前の成績などが非常に似ている。そして2頭とも靭帯を傷めたことで休養を余儀なくされたため、今回のクリソベリルの走りを見てルヴァンスレーヴを思い出したファンも多いはずだ。そのため、中にはルヴァンスレーヴのようにクリソベリルもこのまま終わってしまうのかと悲観してしまうファンもいるに違いない。

 ただ、希望が持てる話もある。今回のレースを終えた川田騎手は「チャンピオンズC以来のレースで、息がしんどかったですね。でも、競馬の前も競馬の間も、ある程度本人が楽しんでくれている様子があったので、それを嬉しく思います」と、コメント。クリソベリルにはまだ闘争心などは十分ありそう。

 果たして、クリソベリルはかつての輝きを取り戻し再び「ダート王」の座につくことができるのか。厳しい状況だが、引き続き注目したい。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

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