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JRA天皇賞・秋(G1)は「三壁」が強敵!? 三強が抱えるそれぞれの不安とは?

JRA天皇賞・秋(G1)は三強よりも「三壁」に注目!? コントレイル、グランアレグリア、エフフォーリア、それぞれが越えなければならない不安とはの画像1

 東京競馬場で今週末に開催される秋の天皇賞(G1)は、新旧有力馬による三強対決が注目を集めている。

 28日現在、『netkeiba.com』における単勝の予想オッズは、コントレイル、グランアレグリア、エフフォーリアが一桁台前半で上位人気を形成。4番人気と見られるカレンブーケドールから二桁台と大きく差が開いており、下馬評的にも3頭が他馬を引き離してリード。もし人気通りの決着となれば、今年を代表する名レースとなりそうな雰囲気もある。

 その一方で、三強対決が濃厚な今年の天皇賞だが、過去の歴史的にも平穏な決着となる可能性はそれなりに高い。3番人気以内の馬が、そのまま3着までを独占した代表的なものは3回ほど見つかった。

 若き天才・武豊騎手の巧さが冴え渡った1989年のスーパークリーク、オグリキャップ、メジロアルダン。牝馬全盛時代の到来を予感させた97年のエアグルーヴ、バブルガムフェロー、ジェニュイン。同着ともいわれた2008年のウオッカ、ダイワスカーレット、ディープスカイ。いずれも競馬史に残る激戦であり、好レースだった。

 振り返るといずれも優勝馬に騎乗していたのは武豊騎手。32年間続いた同レース連続騎乗が、今年で途切れてしまうのは残念な限りである。

 10年前後の間隔で発生した最後の三強決着から13年目の今年だけに、そろそろ再現があってもおかしくないタイミング。人気を分ける各馬の不安材料にも注目しておきたい。

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エフフォーリア 撮影:Ruriko.I

 まず、今年の皐月賞(G1)を3馬身差で圧勝しながら、惜しくもハナ差でダービー馬の栄冠を逃したエフフォーリアから。先週の菊花賞(G1)には向かわず、あえて古馬相手の天皇賞に参戦してきた。

 鞍上には菊花賞で見事な騎乗を見せた若武者・横山武史騎手。3歳世代についても古馬相手の重賞を異例のペースで勝利しており、世代レベルの高さは証明済みだ。そんなハイレベル世代のトップクラスに君臨しているだけに、あっさりと優勝しても不思議ではないだろう。

 しかし、いざ過去の歴史を紐解いてみると、3歳で天皇賞に挑戦した馬は意外と苦戦しているのだ。2着3着に好走するケースはあれど、1着となると中山開催に変更された02年のシンボリクリスエスまで遡る必要がある。

 東京開催の場合は、蛯名正義騎手が初めてG1勝利を手にした96年のバブルガムフェローだから、25年も前の出来事。どちらも藤沢和雄厩舎の馬だったことも覚えておきたい。

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グランアレグリア 撮影:Ruriko.I

 その藤沢師が送り込むのはマイル女王のグランアレグリア。G1を2勝2着1回と、滅法得意にしている東京へのコース替わりは大歓迎だろう。こちらについては牝馬の強い近年の傾向も心強い。

 自身初の2000m戦となった4月の大阪杯(G1)では、重馬場にスタミナを奪われ4着に敗れたが、陣営は「東京の良ならこなせる」と好感触。今回、良馬場での開催が濃厚なことも好材料だ。

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 前述2頭に対し、絶対に負けられない立場で臨むことになるのが、昨年無敗で三冠馬に輝いたコントレイル。父ディープインパクト以来の偉業を達成し、前途洋々の将来を約束されたかに思われたが、昨年のジャパンC(G1)でアーモンドアイに一蹴されてからは、勢いに陰りも見え始めた。

 道悪の巧拙を問われた大阪杯3着に関しては、グランアレグリア同様に馬場に敗因を求めることが可能も、疲れが抜けなかったことを理由に宝塚記念(G1)を回避したのは誤算。年内での引退も発表されたことで、陣営はジャパンCを含む残り2戦に全力投球の構え。ベストと豪語する芝2000mの舞台なら優位は動かない。

 絶対的パートナーである福永祐一騎手も今秋のG1で、3番人気ピクシーナイトでスプリンターズS(G1)勝利に始まり、3番人気アンドヴァラナウトで秋華賞(G1)を3着。6番人気の伏兵ディヴァインラヴでも、紅一点の牝馬ながら技あり騎乗で菊花賞3着へと導いた。

 ひとつ懸念があるとしたら、1枠1番を引いたことか。今週からBコースに替わるため、インのグリーンベルトを走れる内枠は絶好。一見、反撃へのお膳立てが整ったように感じられるが、いいことばかりでもない。

 G1で3連続3着以内に入った好調さを見せているが、福永騎手の騎乗は挑戦者に近い立場でのもの。1番人気でマークが集中する今回、これまでのようなスムーズなレース運びができるかとなると、そう簡単ではないはず。

 エフフォーリアは「世代」、グランアレグリアは「距離」、コントレイルは「最内枠」と、それぞれが越えなければならない「壁」を抱えている今年の天皇賞。なかでも、不完全燃焼に終わる可能性のある「前が壁」だけは、乗り越えて欲しいものである。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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