JRA武豊「神騎乗」大絶賛から面目丸潰れ!? チャンス奪われた岩田望来は重賞「100連敗」カウントダウンの危機
先週末の中京競馬場は、土曜に愛知杯(G3)、日曜に日経新春杯(G2)と豪華重賞2本立ての開催だった。
前者は武豊騎手とルビーカサブランカ、後者は川田将雅騎手とヨーホーレイクのコンビがそれぞれ勝利。いずれも今年の飛躍を予感させる好内容で凱歌を上げた。
特に目を引いたのは、武豊騎手が7番人気の伏兵ルビーカサブランカで披露した好騎乗だ。オープン入り後に初挑戦した重賞をいきなり制覇。これには、1枠1番を生かした鞍上によるロスのないコース取りと仕掛けのタイミングが最大の決め手となった。
外を回して内を開けてコース取りをした騎手や、最後の直線でもマリアエレーナの坂井瑠星騎手が大きく外に寄れるロスなどもある中、ほぼ最短距離となるインからスルスルと抜け出した名手の“勝負勘”が光った。
2着マリアエレーナとわずかアタマ差だったことを考慮すると、武豊騎手の完璧なエスコートがなければ、おそらく殊勲の勝利に手が届いてなかっただろう。
レース後、「ギリギリでしたね。状態も良くハンデも軽いので期待していました」と振り返った武豊騎手に対し、対照的にやることなすことが裏目に出てしまったのが、岩田望来騎手とソフトフルートのコンビだ。
2番人気で4着と惜敗したことについて、「思ったより位置取りが後ろになりました。直線で内へ行く選択肢もありましたが、外を回る形になりました」と悔やんだ岩田望騎手だが、後方から外を回す大味な競馬で結果を残せなかった。
続けて「展開や乗り方次第で重賞でもチャンスはあると思います」とコメントしたことには、ネットの掲示板やSNSで一部のファンから「お前が悪い」「 “乗り方”ではなく“乗り役”次第」といった辛辣な意見も出る始末だった。
少々手厳しいようにも映るが、岩田望騎手自身も重賞91連敗中。ソフトフルートも、昨年5月のシドニートロフィー(3勝クラス)で、後のエリザベス女王杯馬アカイイト、ルビーカサブランカを退けた実力の持ち主だったなら、ファンが不満を持つのもやむを得なかったか。
だが、この続きは翌日の日曜中京でも続きがある。
前日土曜の愛知杯勝利で、日経新春杯のフライライクバードに騎乗する武豊騎手に重賞連勝の期待がさらに強くなり、当日は2番人気の支持が集まった。
そして、フライライクバードは、近3戦で岩田望騎手が騎乗して3着→1着→3着と、まずまずの結果を出していた馬。重賞での実力不足を囁かれる若手からレジェンドへの鞍上強化も相まって、ハイレベル明け4歳世代の一角ヨーホーレイクより上の評価を得た。
しかし、道中で4番手の好位追走から直線で早々に失速して15着の惨敗。これには武豊騎手も「道中力んでいましたし、ちょっと気分よく行き過ぎたかもしれません。直線に向いた時点で手ごたえは全くありませんでした」と、面目丸潰れの敗戦に首をかしげた。
一部のファンからは「こっちは岩田息子でよかった」など、擁護する声も出ていたが、岩田望騎手も同レースで6番人気ダノンマジェスティに騎乗して10着では、どっちもどっちといわれかねない内容だったかもしれない。
それどころか、この敗戦で愛知杯に続く重賞連敗はついに92に到達。100連敗の大台までカウントダウンがまた一つ進んだ。皮肉にも中山の京成杯(G3)を6番人気オニャンコポンで勝利した菅原明良騎手は、デビュー4年目の同期。ライバルは早くも重賞2勝目を挙げている。
平場では悪くない騎乗を見せる岩田望騎手だが、このままだと「悲願の重賞初勝利」は、もうしばらく先になりそうな雰囲気だ。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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