JRA「メンタル崩壊」ソダシに特効薬見つからず!? フェブラリーS(G1)登録も復活に疑問、カギを握るのは流血騒ぎ起こした母の血か
純白のプリンセスは、再びスポットライトを浴びることが出来るか。
昨年の最優秀3歳牝馬ソダシ(牝4、栗東・須貝尚介厩舎)が、20日に東京競馬場で行われるフェブラリーS(G1)に登録することがわかった。
3日に発表された須貝調教師のコメントによると「登録はします。出走するかどうかは、オーナーと相談して決めます」とのこと。現段階でまだ確定はしていないが、出走してくるようなら楽しみな存在となりそうだ。
中間の調整も順調に進んでいる白毛の女王。栗東Cウッドで追い切られたこの日の追い切りでは、6ハロン85秒6-10秒7という破格の好時計をマークした。これには指揮官も「リズムよく走っていたし、雰囲気はいいね」と高評価。コンディションに問題がないとなると、後は「気持ち」の方の問題か。
陣営が「前走は走っていないので、ダートがだめとは思っていない。フェブラリーSはマイルだし、そのあたりを考えて登録することにしました」と説明しているように、ダートで活躍した母系出身のソダシには、こなせるだけの下地は十分に備わっている。
母ブチコをはじめ、近親にはユキチャンやシロニイなどダートを得意とする馬が多数。むしろ芝で好結果を残しているソダシやメイケイエールの方が、白毛一族としては風変わりな存在ともいえる。まともに走りさえすれば、あっさりと勝っても驚けないだけの背景があるだろう。
その一方で、彼女たちの課題とされていたのが、ジョッキー泣かせの気分屋な一面である。
メイケイエールは、折り合いに定評のある武豊騎手や横山典弘騎手でさえ手に負えなかっただけでなく、秋華賞(G1)のソダシにも待避所で吉田隼人騎手の指示を全く聞かなくなるというアクシデントが発生していた。
圧倒的人気を背負いながらも、10着に大敗した理由の一つとして「発馬機内で突進した際に顔をぶつけ、歯茎をケガしていた」ことがレース後に判明したが、このときすでに彼女の中で何かしらの変化があったのかもしれない。
そんな嫌な予感が現実となったのが、前走チャンピオンズC(G1)の12着惨敗だ。
1枠1番に入ったこともあり、揉まれるリスクを避けた吉田隼騎手はパートナーを迷わずハナに立たせた。道中も平均的なラップを刻むことに成功し、2番手を進んだインティが4着、3番手のアナザートゥルースが3着と先行勢に有利な展開。本来のソダシなら、ここからさらに粘り強い走りを見せるはずだが、あまりにも無抵抗過ぎる“逆噴射”だった。
「あくまで個人の見解ですが、仮にフェブラリーSに出走したとしても、巻き返せる可能性は低いようにも思えます。そもそも昨秋に敗れた2戦も、追い切りは抜群によかったわけです。調教横綱といわれる馬が、必ずしもレース結果に直結しないようにアテにはなりません。
ソダシの場合は、レースに向けての走る気持ちが、プツリと切れているような感じもします。厳しい展開だったオークス(G1)の敗戦はともかく、完全に勝ちパターンだった近2走は、力負けとは程遠い内容でした。心情的には応援したいですが、印を回す余裕はなさそうです」(競馬記者)
また、母ブチコには流血騒ぎにもなったゲート難が原因で早期引退に追いやられた過去もあるだけに、その娘であるソダシも他人事では済ませられないだろう。
シルクロードS(G3)で復活したメイケイエール陣営は、パシュファイヤーの効果が大きかったと振り返っていたが、こういった馬具による矯正はソダシにも有効かもしれない。
出走すれば、3戦無敗のマイルに距離短縮となるフェブラリーS挑戦。このまま沈んでしまうのか、それとも再び上昇気流に乗ることが出来るのか。5戦無敗で桜の女王へと輝いた天才少女の次走に注目したい。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。
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