
JRA藤沢和雄“ラスト府中”で田中勝春と「12年ぶり」重賞タッグ! ダイヤモンドS(G3)ランフォザローゼスでそろって「区切り」の勝利に挑戦!

19日、東京競馬場では芝3400mのマラソンレース・ダイヤモンドS(G3)が行われる。18日に決まった枠順で大外14番枠に収まったランフォザローゼス(セ6歳、美浦・藤沢和雄厩舎)に注目したい。
2017年の1歳セレクトセールで1億3500万円(税込)の高値をつけたエアグルーヴ一族の良血馬で、デビュー前から期待は大きかった。その期待通り、2歳秋の新馬戦を勝利すると、葉牡丹賞(1勝クラス)、京成杯(G3)、そして青葉賞(G2)と3戦連続で2着に好走。日本ダービー(G1)でも5番人気に支持された。ところが大一番で7着に敗れると、突如歯車が狂ってしまう。
ダービーから前走の白富士S(L)まで14戦すべてが馬券圏外で、掲示板も1度だけ(19年・毎日王冠=5着)……。リステッドとオープン競走での2桁着順も目立ち、『netkeiba.com』の予想オッズで単勝90倍台の12番人気と低評価を下されるのも無理はないだろう。
それでも、変わり身を期待させる要素は1つだけではない。
まずは今回が去勢による長期休養明け3戦目であることだ。休み明けの近2走はリステッド競走で8着、10着に敗れているが、着順ほど内容は悪くない。特に叩き2戦目となった前走は、4角2番手の積極的な競馬で、直線を向いたときはもしやと思わせる見せ場をつくった。
初距離となる3400mもプラスになる可能性がある。これまで走った最長距離は青葉賞とダービーの2400m。それ以降は1400~2200mしか使われておらず、一気の距離延長が起爆剤になっても不思議ではない。
そして、今月いっぱいで定年引退を迎える藤沢和調教師の渾身の仕上げに対する期待感もある。16日の最終追い切りはまさに“藤沢流”。使用したのは美浦の芝コースだったが、なんと2周走るという異例のメニューを課したのだ。
そして、ランフォザローゼスの背中にいたのは34年目のベテラン田中勝春騎手だった。
かつて藤沢和厩舎の主戦といえば、岡部幸雄氏だったが、引退後は田中勝騎手が主戦として重用された時期もあった。先月29日には、ランフォザローゼスの弟カランドゥーラを見事勝利に導いているが、重賞レースでこのタッグが実現するのは2010年以来、なんと12年ぶりだという。
そんな2人はそろって区切りの勝利にリーチをかけた状態でもある。
JRA重賞通算126勝の名伯楽は東京競馬場での重賞50勝目、田中勝騎手はJRA通算1800勝目が懸かる(田中勝騎手はダイヤモンドS前に達成する可能性も残している)。藤沢和師の“府中ラスト重賞”でそろってメモリアル勝利を飾れば、これ以上ないドラマとなるだろう。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
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